レプチン濃度が低いということは、食欲が増加している、つまり脳は栄養を欲しがって食べたがっている状態を示します。この結果は、朝ごはんを抜くと、それだけで、3食食べるよりずっと食欲が高まっている状態が続くことを意味しています。つまり、朝ごはんを抜くとその後で食べすぎてしまう可能性が考えられます。もしかすると、それが朝ごはんを食べている人が太らずにすむ理由かもしれません。過食がある人にまず3食しっかり食べることを勧める理由もここにあります。(Y, Nakamura et al., 2008)。
雑誌The New England Journal of Medicine (NEJM)は、医学専門誌のなかでもっとも長い歴史を有し、医学会でもっとも権威のある雑誌といって過言ではありません(専門的な話ですが、科学誌はインパクトファクターという、他の論文に引用されたかなどからはじき出される数字によって評価されますが、2017年度のNEJMのインパクトファクターは72.406と、他の有名雑誌Lancetの47.831、JAMAの44.405よりはるかに高いのです)。Kassirer教授は長く編集長(1991~1999年)だったのですが、1998年の編集長としての念頭の所感(一年の計)として、「減量-呪われた病気」を載せています(Kassirer & Angell, 1998)。
PS. やっぱり「抗肥満薬」治療は、安全性が第一ですよね。リモナバンの体験で、実感しました。あとは、オブリーンも体験しました。両方の薬剤とも処方経験があります。リモナバンは承認取り消し。オブリーンは、承認申請をしなかったのか、それとも却下されて、再度の承認申請を断念したか、のようです。企業秘密だろうから、教えてくれませんでした。それに、GPR40についても。本当に開発は難しいです。