糖尿病治療薬:マンジャロの処方をご希望の患者様の方々へ

業界最高水準、保険診療にて処方。1か月に1回は通院、2週間後はオンライン診療。No1糖尿病専門医。Web診療。慶大医学部卒。

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糖尿病の新薬:マウンジャロ(mounjaro)に関係した学術論文や、トピックス、ニュースなどを、要約して掲載していきます。糖尿病患者様の皆様の、学習用素材として、ご利用ください。

本当に痩せる週1回GLP1製剤(2)

セマグルチドの「食欲抑制効果に対する時間的な傾向」も示されています。下図のAをみてみてください。セマグルチドも、皮下注射してから30分後くらいに「食事に対する抑制効果のスコア」がピークに到達します。ですから、そこからBig Mealを食べるタイミングにもっていくのが、ちょうどよいタイミングで、食事量を減らせれるようです。そして、その効果は、300分、つまり5時間は持続します。


その間、満足度(Satiety)、お腹が膨らむ感じ(Fullness)が持続します。食べたいという感覚(Hunger)は、240分、つまり4時間くらいは消えて、満腹のみとなります。したがって、その時点で、食事をすることによる、食事からの摂取エネルギーは、5時間の間、減り続けますが、最も、食事をしなくてもいい、と感じるのは、注射後30分からです。こうして、1週間に1回の注射ですが、1週間に1度、思い切りの満腹感を実感する、そのことだけで、体重が−5kg、減るということになります。


これと似た方法が、ビクトーザやサクセンダでも、可能ではないだろうか、と考えて、以前、「鈴木式」GLP1ダイエット法、を提唱しようか、と記述したことを、読者の皆さんは覚えておられますでしょうか? 


例えば、ビクトーザかサクセンダを1日1.8mgで、減量ができていたとしても、1週間に1日だけ、サクセンダで、1日2.4mgとか、3mgを増量して注射してみる方法です。



1週間に1回の少し強めの「満腹刺激」を与えられるだけで、食欲低下は持続し、理論的には、こうしたセマグルチドの投与と類似の効果を得られるはずだからです。こうしたコンセプトをサクセンダなどでも実現可能であろうと考え、その独自性を「鈴木式」と名称をつけようかと考えました。


このように1週間に1回、食欲に「アクセント」をつけて、思い切りブレーキを踏むだけで、5kgの体重減少は可能である事を、この論文は示唆してくれています。


セマグルチドが、1週間、維持できるのは、その血中濃度動態について説明が必要ですが、それは又、別の機会にいたします。


ただ、セマグルチドを毎日、注射するといった行動をとった場合、やはり持続時間がながくなる分だけ、サクセンダの2倍のダイエット効果が得られるだろうということは、この論文で用意に推測していただけるかと考えました。後日、続編を書きますが、今日は、この辺で、おしまいにします。





サクセンダのダイエットパワー2倍がある新医療!

ごくごく最近になり新患がふえてくると、ふと、2018年欧州糖尿病学会で発表された話題を思い起こすことが増えました。


というのも、最近、「体重で、ベースラインから、−20%以上を減量したいです。先生。」、と相談されることが増えてきたからです。


それで、セマグルチド(商品名、オゼンピック)の毎日注射の論文を思い出します。雑誌Lancetの論文です。この記事の最下段に抄録をのせました。その中で、赤で示したように、セマグルチド(商品名、オゼンピック)も、リラグルチド(商品名ビクトーザやサクセンダ)も、「毎日、1日1回の注射にして、比較してみた」という点が、最大の見せ場です。


ただし、平均体重は、 111·5 kg, BMI 39·3 kg/m2.と、日本人なら「超肥満体」の人が対象となっていました。そこは留意しておく必要があります。


その結果、セマグルチドの、例えば、0.4mgを毎日、注射すると、平均で、−14%の減量を認めていました(体重の絶対値としての数値です。サクセンダは、−9%なので、うわまわっています。)


体重が、−10%以上の減量を認めたのは、セマグルチド群では、37〜65%でした。
これは、サクセンダが、ほぼ20%前後だった事を考えると、倍増していることになります。


つまり、「セマグルチド毎日注射は強力でサクセンダの2倍のダイエットパワーをもつ」みたいです。


あらためて、その強力さに驚きます。もし4人に1人が、−20%の体重減少に成功するとしたら、美容体重目的、モデル体重目的に利用したい、と望む人は後を絶たないかもしれません。


ただし、問題は薬値です。通常1週間に1回で、1ヶ月4回だとしても、かなりの高額治療になるはずの薬剤ですから、1日注射する分量を、どれほど細かくできるのか、で、計算が異なります。


通常のセマグルチドのペンであれば、1回投与量は0.25mg。0.5mg。1mg。の3段階しかないはずですが、おそらく、このLancetの論文にある研究では、まったく別のペンを使用したと思われます。


いずれにしても、日本の厚労省と、ノボノルディスク社との協議で決まる価格でしょうが、もし、今のGLP1注射薬と、変わらないのであれば、セマグルチドの毎日、注射を勧める外来ができても、おかしくはありません。


セレブの治療か、普通の人も受けられるのかは薬値しだい。自費なら日本でもOKかもしれませんし、実際、自費で、私たちの施設では近日中に開始していく予定です。


仮に「美」を職業としている女性や男性であれば、手が届く金額になるかもしれません。



======== 以下、参考文献  ============


Efficacy and safety of semaglutide compared with liraglutide and placebo for weight loss in patients with obesity: a randomised, double-blind, placebo and active controlled, dose-ranging, phase 2 trial.


O'Neil PM1, Birkenfeld AL2, McGowan B3, Mosenzon O4, Pedersen SD5, Wharton S6, Carson CG7, Jepsen CH7, Kabisch M7, Wilding JPH8.
Author information


Abstract


BACKGROUND:
Obesity is a major public health issue, and new pharmaceuticals for weight management are needed. Therefore, we evaluated the efficacy and safety of the glucagon-like peptide-1 (GLP-1) analogue semaglutide in comparison with liraglutide and a placebo in promoting weight loss.


METHODS:
We did a randomised, double-blind, placebo and active controlled, multicentre, dose-ranging, phase 2 trial. The study was done in eight countries involving 71 clinical sites. Eligible participants were adults (≥18 years) without diabetes and with a body-mass index (BMI) of 30 kg/m2 or more. We randomly assigned participants (6:1) to each active treatment group (ie, semaglutide [0·05 mg, 0·1 mg, 0·2 mg, 0·3 mg, or 0·4 mg; initiated at 0·05 mg per day and incrementally escalated every 4 weeks] or liraglutide [3·0 mg; initiated at 0·6 mg per day and escalated by 0·6 mg per week]) or matching placebo group (equal injection volume and escalation schedule to active treatment group) using a block size of 56. All treatment doses were delivered once-daily via subcutaneous injections. Participants and investigators were masked to the assigned study treatment but not the target dose. The primary endpoint was percentage weight loss at week 52. The primary analysis was done using intention-to-treat ANCOVA estimation with missing data derived from the placebo pool. This study is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT02453711.


FINDINGS:
Between Oct 1, 2015, and Feb 11, 2016, 957 individuals were randomly assigned (102-103 participants per active treatment group and 136 in the pooled placebo group). Mean baseline characteristics included age 47 years, bodyweight 111·5 kg, and BMI 39·3 kg/m2. Bodyweight data were available for 891 (93%) of 957 participants at week 52. Estimated mean weight loss was -2·3% for the placebo group versus -6·0% (0·05 mg), -8·6% (0·1 mg), -11·6% (0·2 mg), -11·2% (0·3 mg), and -13·8% (0·4 mg) for the semaglutide groups. All semaglutide groups versus placebo were significant (unadjusted p≤0·0010), and remained significant after adjustment for multiple testing (p≤0·0055). Mean bodyweight reductions for 0·2 mg or more of semaglutide versus liraglutide were all significant (-13·8% to -11·2% vs -7·8%). Estimated weight loss of 10% or more occurred in 10% of participants receiving placebo compared with 37-65% receiving 0·1 mg or more of semaglutide (p<0·0001 vs placebo). All semaglutide doses were generally well tolerated, with no new safety concerns. The most common adverse events were dose-related gastrointestinal symptoms, primarily nausea, as seen previously with GLP-1 receptor agonists.


INTERPRETATION:
In combination with dietary and physical activity counselling, semaglutide was well tolerated over 52 weeks and showed clinically relevant weight loss compared with placebo at all doses.


Twitterで見つけた記事から。

Twitterのほうが、ニュースを見つけやすいので、Twitterでさがしたニュースを、ブログに転載してみます。


私のTwitterは、

https://twitter.com/drsuzuki006
です。もし、よろしかったら、Twitterでもフォローください。


以下、転載ですね。。


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NYタイムスの記事は、サクセンダについて糖尿病治療薬であることを明記、ビクトーザがrenamed, つまり商品名を変えただけです、と紹介してます。renameという用語で理解できちゃうんですね。呼び方を変えただけ、という表現をすればいいのでしょうか?
引用ツイート


Lanie Spaedy, MD
@Dr_Lanie
· 2014年12月29日
NYTimes: Diabetes Drug Gains Approval for Treatment of #Obesity (link: http://buff.ly/1trgC5S) buff.ly/1trgC5S Victoza renamed Saxenda to sell for weight loss


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ノボノルディスク社は、アメリカにサクセンダだけで500名のMRを配置したそうです。日々、飛び回って営業しているんでしょうね。それに比べて日本では事業準備室ができたくらい。MRはゼロです。自分で情報を収集するしかなさそうですね。
引用ツイート


Denmark in New York
@DenmarkinNY
· 2015年1月27日
.@NovoNordisk puts 500 Saxenda reps on U.S. streets, aiming for $1B in weight-loss sales. (link: http://bit.ly/15LDt1y) bit.ly/15LDt1y


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サクセンダダイエットは、年間$12,000、日本円で130万円。12ヶ月で割ると10万円と少し、私たちの価格帯とほぼ同じですね。2.4mgなら10万円、4本。3.0mgなら13万円。海外と同じ価格帯なら良心的かも。ほぼ同じで、ほっとしました。
引用ツイート


Dale Shepard MD, PhD
@ShepardDale
· 2015年7月2日
Study confirms weight loss With #Saxenda. Avg 12 lb loss and $12,000/yr. $1000/lb!! Diet/exercise are much cheaper. (link: http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Obesity/52408) medpagetoday.com/Endocrinology/…


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15%以上の減量に成功する人が18%もいるとは知りませんでした。10%は3人に1人ですが。でも5人に1人が18%以上やせられるとすると、すごいですね。20%以上となると6%未満なのに、ここに、かなりの差を感じます。18%減で満足する人が多いのかも。
引用ツイート


Abd Tahrani
@AbdTahrani
· 4月30日
saxenda + intensive behavioural therapy (IBT) was superior to IBT only in terms of weight loss in #obesity . @EASOobesity #ECO2019 #obsmuk @hazlehurst_j


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食事療法は不要、きつい運動療法は不要、らしきPRは美容外科医、皮膚科医でもしてないですね。きちんと、カロリー制限をし運動を増やしてください、と海外では明記してますね。ここで嘘の広告をするほうが、海外では罰則が厳しいから、訴訟されるからでしょうね。
引用ツイート


Linia Skin Clinic
@liniaskinclinic
· 7月14日
Saxenda can help adults with weight-related medical problems or obesity lose weight and keep the weight off. It should be used with a reduced-calorie meal plan and increased physical activity✨


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海外では、糖尿病があって、より体重を減らしたい時にはビクトーザからsaxendaへと変更する事は承認されているみたい。これなら糖尿病外来の日常でたやすくできる処置。だから海外では糖尿病専門医の仕事なんですね。日本も真似してくれないでしょうか?
引用ツイート


Dr Andrew Suleh MD
@andrewsuleh
· 5月24日
, liraglutide, is already available in the type 2 diabetes drug Victoza at a maximum dose of 1.8 mg. While Victoza causes a bit of weight loss in many patients, the larger dose of liraglutide in Saxenda helps patients lose much more weight.


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医師と会わないでsaxendaやビクトーザを注射しようとすると製薬メーカーは、120個の訴訟されないような手立てを打ってあるんですって。逆に言えば、相談される側の医師はそれだけriskyという事になりますね。甲状腺癌と膵炎は提示していないのは極めて稀だからでしょう
引用ツイート


Hussain MD
@TheWhoSSayin
· 6月26日
For those thinking about taking Saxenda & Victoza injections for weight loss without consulting your doctor first:


The pharmaceutical company are facing >120 lawsuits for producing those drugs & not disclosing the risk of PANCREATIC & THYROID CANCERS


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守備範囲が広い野手。ゴールデングラブ賞?

朝から「糖尿病を予防する」ための「抗肥満治療」


夕方には「糖尿病で腎症(腎臓病)が進行しない大規模臨床試験結果」
クレデンス試験の講演、、を聴講。



糖尿病になる前も守備し、糖尿病で透析になる前までも守備し、いかに私達、糖尿病専門医がやる守備範囲が広くなったのかを実感するこの頃です。


肥満に関連した疾患への予防、透析への予防、これを考えると、思春期からご高齢者までのライフスパムの全てに関与し、どのステージにでも私達、糖尿病専門医の必要性がでてきます。


その意味で、守りすぎて疲れる、という気もしないでもない事もあります。


昔は、糖尿病と診断されても来院せず、糖尿病を放置し腎症が進行してから透析にいくのもすぐで、透析になったら余命は3年。つまり、糖尿病専門医がカバーする年代は比較的、50歳代後半から70歳代中盤までの人口でした。つまり、おおよそ20年〜30年間の幅の患者さんを守るのが任務の職業。


ところが、今は、「抗肥満」となると20代から30代。透析になっても寿命は10年になり、よって80歳代中盤まで、なんと、おおよそ20代から80代まで60年間の幅の患者さんを守るのが任務の職業。と、守備範囲が広くなった野手のような気分になります。ほぼ、「大人」であることの全ての人たちへの「医療」が、糖尿病専門医がたずさわる野手のような責務、、。


どこに飛んできたボールを、どうやって受け取るのか、その巧さ、下手さが、「糖尿病専門医」分野での「医師としての格」を決められるのかもしれません。


なら、順位づけしてもらって「ゴールデングラブ賞」、「沢村賞」とでも言うかのような「賞」でも、あれば、モチベーションあがるのに、と、ガリクソン投手来日の件を思い浮かべながら野球に例え、いわぶっちゃんが書く「モチベーションの大切さ」を読み返しています。


GLP1製剤と膵炎との因果関係

「GLP-1受容体作動薬、つまり、GLP1製剤を注射すると、膵炎になるのでは?」、というご心配をされる場合があります。これについては、GLP1が、体重が減ることと関連しているのでは、という推察が主たる仮説だと考えています。



GLP1注射

体重が減る

石ができる

胆石が胆管に落ちる

たまたま、膵管に胆石が詰まる

膵管にバックプレッシャーがかかる

膵炎になる



この連鎖が全ておこったら、膵炎になるかもしれません。ですが、まず、あくまで体重が減ったら、起こる現象であることが大事です。
体重が減れば、胆石がおこりやすいことは、GLP1製剤に限ったことではありません。本物の「抗肥満治療」ほど、胆石が起こりやすくなります。
たとえば、ゼニカルでも、胆石の頻度は高くなります(以前、ブログで公開しました)。


https://www.glp1.online/post/_0035
ここをクリックしてみてください。


GLP1注射製剤で、胆石がおこる確率は2%程度です。ですから、そこから、上記のプロセスを経て、膵炎が起こるまでの確率は、かなり、それよりもはるかに少ないだろう、と推察することができます。


結論として、「GLP1ダイエットで膵炎を心配する必要は、ほとんどない」、ということになります。


このダイエット、やばいダイエット! キケンなダイエット!では、ありません。