圧倒的な「糖尿病治療薬」&ダイエット薬として登場
ビクトーザは、ダイエットの常識を180度、変える、と謳っている医師は、よほど歴史を知らないのでしょう。
すでに、ビクトーザの発売時には、ビクトーザは血糖改善とともに、体重減少という事実は知られていました。それが、2010年ですから、それから、9年たった今になって、「常識を180度、変える」もなにもなく、糖尿病専門医は、既知の事実だった話題です。
海外より、日本人のほうが、こうしたGLP-1受容体作動薬、つまり、GLP1治療は効きやすい、とされています。その証拠となったのが、日本人における臨床データでした。
ビクトーザ1日0.9mgでも、24週間で、HbA1cは8.92%から7.06%まで、じつに2%近くさがり、低血糖は起こっておりませんでした。この間、体重は約0.9kg減少していました。
たった、0.9kg?と思われる方も多いとは思いますが、糖尿病治療では、HbA1cが8%(9%前後)以上から7%前後に落ちる時には、通常は、体重が増えるのが普通です。その体重増加作用をおさえて、さらに、0.9kg、減少していた、というのは、その時点で、おどろくべき「ダイエット効果」だったのです。
かつ、その治験は、2008年に日本で行われ、私も参加しています。この時点から、糖尿病専門医であれば、もし、この薬剤が糖尿病治療でなければ、ダイエット治療薬になることは周知の事実で、常識もなにも変わっておらず、ただ、闇ルートでは入手できない薬剤という認識になったわけです。
糖尿病専門医なら、こういったデータをみれば、1年目の専門医でも、容易に理解できる歴史的な話です。