医療情報の総合サイトへの取り組み(事例:@ソニーコミュニケーションネットワーク) 8
My Mediiproの特徴を簡単にいえば、利用者のニーズに合った医療情報を、利用者自身が個々に選び出し、パーソナライズされたウェブページを自動的につくるシステムである。こうして利用者は目的のコンテンツを迅速にかつ好みの画面で入手できるようになる。要するに、一人ひとりの利用者が、それぞれに異なるMy Mediproを体験できるようになるというわけだ。
たとえば、製薬会社からの添付書類などの閲覧、学会からの連絡事項の通知、あるいは学会抄録の締切りまであと何日か、といったきめ細かな情報伝達を個別に行うことが可能となる。また、先に述べた医学文献データベースMEDLINEにワン・トゥ・ワンのメカニズムを適応すれば、検索できる英文雑誌約三千誌のうち、常に最新情報を読みたい雑誌だけを自分なりに選択しておき優先的にチェックできるようになる。分野ごとのMEDLINE検索を、キーワードのクリックだけで実行できるようにするといった、カスタマイズも可能となっている。もちろん、Medipro Club談話室などの既存のサービスの利用や、臨床専門リンクなどへのアクセスもスムーズになる。
ワン・トゥ・ワンのアプローチによって、医療という非常に専門性の高い領域におけるコンテンツ利用の便宜性を、画期的に高めることができたのである。
■自由競争による「街」を提供
ここでもう一つ興味深いのは、同社が追求するワン・トゥ・ワンの姿が、いわゆるマーケティング