副作用は時間と伴に軽減する。
リラグリチド(ビクトーザ、サクセンダ)は、副作用頻度は、さほど多くはありません。
特に多いのは、胃排出速度を遅らせるなどの、「膵臓以外の作用する作用」(これを膵外作用と呼びます。)で、胃の動きを止めることから、吐き気などが多いというのが、GLP-1受容体作動薬、全体の特徴(クラスエッフェクトと言います)です。
ただし、リラグリチドの場合、こうした嘔気、嘔吐という症状は時間と伴に軽減していきます。また、「用量依存性」があります。すなわち、少量から開始し、様子をみながら増量していけば、用量依存的に起こってくる副作用を回避しつつ、増量が可能ということです。
特に、リラグリチドには、GLP1タキフィラキシーという効果があって、この軽減していく速度や頻度は、バイエッタよりも、極端に優れています。それが、「抗肥満薬」への進化につながったというわけです。
サクセンダのように、1日3.0mgを注射していても、悪心、嘔吐はさほど感じず、ただ「満腹感だけ」を感じるという時間帯が続く治療法が実現できる、だから、痩せられる、だから、「ダイエットに向いている」という論理になります。
バイエッタには、GLP1タキフィラキシーが少ないので、いつまでも悪心、嘔吐が続くため、副作用が長く継続する薬は安全とはいいがたくなります。
だから、バイエッタには、痩せる薬であることは、わかっていても、FDAや他の世界における承認機関での「正式承認を得られない」、そういう事情があるわけです。