Fit to Fat to Fit
アマゾンのPrimeビデオには、太って痩せる、というようなPrime Videoがあります。
フィットネストレーナーの話で、ダイエットができない理由は、
トレーナーが肥満の体験がないせいだ。
だから、トレーナーは30kg、太って、それから減量して
肥満の人の心情を理解する必要がある。
そんなシナリオからスタートするドラマです。
ただ、このビデオは「ダイエット」の「保険医療」に大きな問題を投げかける。
かりに、日本国の保険制度で、BMIが30以上の人はサクセンダの治療を受けれる、
もしくは、mounjaroの治療を受けられると仮定します。
もし、その対象に「保険診療」が適応できるとなったらどうでしょう?
サクセンダは、当院でも1本1万5000円と高額です(2022年6月現在)。
それが、保険が適応されるとなれば3割負担で、4500円になるわけです。
となれば、かなり気軽に、誰もが始められるダイエットになることでしょう。
1ヶ月に5本として、22500円です。
ジムに通うよりは高いですが、楽にダイエットできるとわかれば、着手する人は急増することでしょう。
となると、実はBMIが30以下でも、がんばって一度はBMIを30以上にして、そこから、サクセンダを注射して、頑張って、BMIを22以下にしようとする人が急増することでしょう。
それでも、GLP1ダイエットは、保険医療を受け続けられるのでしょうか?
それが、できる人は3割負担(保険診療)。
それができない人は、現状のように10割負担(自由診療)
そんな議論をする時代は、あと数ヶ月に迫っているかもしれません。
なぜなら、二つの理由があります。
1つは、サクセンダの一般名:リラグリチドは、特許が切れる可能性があること。
2つめは、マオウンジャロも、抗肥満治療の結果が公開されそうだからです。
今年の国際学会には、ぜひ、参加したいものでした。