糖尿病治療薬:マンジャロの処方をご希望の患者様の方々へ

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糖尿病の新薬:マウンジャロ(mounjaro)に関係した学術論文や、トピックス、ニュースなどを、要約して掲載していきます。糖尿病患者様の皆様の、学習用素材として、ご利用ください。

ナイスコントロール ガリクソン投手からのおくりもの 連載(最終回)



あとがき 鈴木吉彦
 僕は巨人ファンでした。ガリクソンが来日した時は、それはもう驚いたの、喜んだの、言葉に表現できないくらいの感動でした。でも、あまり自分とは遠い存在のようで、彼にラブコールを送ることはできませんでした。


 そしてある日、僕のいる病院で、彼がチャリティ講演をする機会がありました。そこで、彼の言葉の一言、一言を聞いているうちに、彼の存在はきっと世界中の糖尿病や他の病気で悩んでいる人たちに希望を与えるに、違いない、そのためにも彼の話を広く世の中の人々に知ってもらいたいと感じました。


 その後、彼とは親しくなり、個人的なつきあいをするようになりました。彼はいつもフランクな身なりで、ちっとも気取らない全く普通のアメリカ人で、よく二人で冗談を交わしました。


 彼には、これまで多くの出版の話があったらしいのですが、すべてそれらは断ったそうです。それは糖尿病を克服しながらここまでやってきた、ということが、彼にとってどれほど大切なことであってのか、関係者にそれをわかってくれる人がいなかったため、だと聞きました。その時、僕は、糖尿病を専門とする医師として、全力をそそいで一冊の本をまとめ、彼に、そして彼を尊敬している糖尿病の子供たちにプレゼントしようと考えました。


 そこでこの本の制作を彼にもちかけたところ、彼はこういいました。 『ドクター、それはグッドアイディアだ。そしてこの本の収益は全世界の子供たちのために使ってほしい』と。この時僕は、ただただ彼の深い人間愛の精神に感動し、大切なものを呼び起こされた気がしました。そして、『もちろんさ、ガリー。世界の糖尿病をもつ人たちのために、いっしょに力をあわせよう』と返事をし、固く握手を交わしました。


 それから数ヶ月、僕は彼の友人としていろんな話を取材し、彼の人間性にふれてきました。日本人の病気に対する考え方の狭さや古さ、人間の尊厳をどう考えるべきかということ、糖尿病に対しての立ち向かい方など、彼に多くのことを教えられ、それを一つずつ文章として残していきました。


 そして次第に、この作業を進めるのは、彼が巨人軍のピッチャーだからではなく、一人の人間として尊敬できるステキな人物だからと思うようになりました。その後、日本語を英語に、英語を日本語に訳しながら、おそらく普通の書物の3~4倍のてまをかけながら、ようやく、この本ができあがりました。この間、援助をいただいたノボ薬品をはじめ、チャリティとして無償の協力を惜しまなかった多くの方々に、深くお礼の言葉を述べさせていただきます。


 また、推薦の辞をお寄せ下さった王貞治氏、松岡健平先生に感謝いたします。今、筆を終えたこの本を前にして、感無量の気持ちですが、残念ながらガリクソンはアメリカに帰ってしまいました。そして、ふたたび大リーガーとしてアストロズ球団に復帰しました。彼の誠実で人間に対する深い愛情を持つ一面と、どんなことにでも闘志あふれ立ち向かっている姿が、この本を読んで下さった人に通じ、そして日本人の心の中に残されていくだろうか、ぼくはそればかりが心配です。そして一医師として、この本をきっかけに、多くの人たちが糖尿病というものに理解を深め、彼ら糖尿病を持つ人たちの活動を応援し、勇気づけてくれることを、心から願いたいと思います。


   1989年12月


ナイスコントロール ! - ガリクソン投手のおくりもの
ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著)
医歯薬出版株式会社

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