ガリーVSドクタースズキ

○ ありがとう　ビル・ガリクソン ○

この章では、糖尿病の患者さんのまわりに暮らす人たちへのメッセージを、ガリクソンや奥さんのサンディ夫人に話してもらいました。これから、糖尿病の仲間とどのようにつきあっていこうか、糖尿病の子供にどのように対処していこうか、と悩んでおられる方には、ぜひ読んでいただきたい章です。
（注は、鈴木吉彦医師からの追加発言です）

1　糖尿病の恋人がいる人へ　(ガリクソン夫人サンディから)
　糖尿病患者の妻として、いつも病気と共にあること、この病気についてもっと知るよう努力することは、とても大切なことです。
　糖尿病患者の食事を工夫することも大切です。高繊維低脂肪の食品は、血糖値を正常に保つのになくてはなりません。多糖食品は家の中から追い出してしまいましょう。
　糖尿病患者の体調管理の最も重要な点は、彼にとって望ましい環境を、愛する人の手で整えてあげようと思うことです。そうすれば彼にも、家族という大きな支えがあることがわかります。

注１：繊維質の多い食品は、食後の血糖上昇を抑えることにより糖尿病のコントロールを助ける効果があるとされています。また、繊維質を多く食べると、インスリン量を減らせることもできます。

注２：もし結婚する相手が糖尿病を持っている場合、この病気についての正しい知識と理解をもつことが大切です。そして相手の糖尿病のコントロールに対して、積極的に協力していくことが望まれます。欧米では若年型糖尿病患者の約70～80%以上の人が結婚し、幸福な生活を送っています。

注３：サンディ夫人は、もと大学のテニスチャンピオンで、スポーツに対する理解や糖尿病に対する理解には、とても深いものがあります。この本を製作する話をした時、夫人は糖尿病のみんなにとって、とても大事な仕事だから、と真剣な態度で協力してくれたのが印象的でした。

注４：結婚を考える時、誰でも子供を作ることを考え、遺伝のことが心配になると思います。しかし、親が糖尿病ならば子供も必ず糖尿病になるわけではありません。若年型糖尿病の場合でしたら、もし両親の一方が糖尿の場合、子供が糖尿病になる確率はおよそ5～10％です。しかし両親の場合は約20％と増えます。またもし子供のうち一人が若年型糖尿病になった場合、兄弟姉妹がなる確率は約30％です。成人型糖尿病の場合は、両親の一方または両方が糖尿病ならば、子供がなる確率は約30％です。

ナイスコントロール ! - ガリクソン投手のおくりもの
ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著)
医歯薬出版株式会社

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