なぜ日本で抗肥満薬が承認されにくいのか? (回答)
Quoraからの回答がありました。
様からの回答です。以下のように。オブリーンの発売経緯をご存じなようなので、業界に詳しいのでしょうか?
セチリスタット(商品名:オブリーン)は私も開発治験担当医となり、処方した経験があるので、良く背景を知っています。
日本では、なぜ海外で承認されている「抗肥満薬」が承認されないのですか?に対するShunichi Araiさんの回答 - Quora
日本において肥満治療は米国に比べると後れを取っているように思います。ひとつには日本人は糖尿病になりやすく、病的肥満になりにくいという点があるのではないかと思います。減量手術やマジンドールはBMI 35以上が適応ですが、米国人では7.7%がBMI40以上で、日本人ではたった0.6%がBMI35以上です。[1][2]
セチリスタットは、厚労省により販売が承認されましたが、薬価収載を拒否され、保険が適応されず発売できないという異常な状態が続いています。[3] [4]そうなると、日本では抗肥満薬の開発には及び腰になる製薬会社がほとんどでしょう。
GLP-1受容体作動薬に関する質問と捉えると、上述の理由により、肥満症の適応を取るのに製薬会社が尻込みしており、開発してないから承認されないのではないでしょうか。注射薬では使い勝手が悪いので、あまり使われないでしょうし。
経口セマグルチド製剤が承認されると、大きく使い勝手が改善されると思われるので、そうなると肥満症の適応を目指して開発される可能性はありそうな気がします。
GLP-1/SGLT-2/DPP-4の薬は心血管疾患を予防する効果や腎保護作用もあると言われてますので、いまだ糖尿病になっていない肥満症患者にとっても保護機能が発揮されることが立証されれば、認可される上に、広く大勢の人が飲むようになるかもしれませんね。僕もどれか飲んでみようかと思いつつ、もうちょいエビデンスが確立してからにするか悩んでます。
脚注
[1] Overweight & Obesity Statistics | NIDDK
[2] 国民健康・栄養調査17 BMIの分布 - BMIの区分、人数、割合 - 総数・男性・女性、15歳以上〔妊婦除外〕 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口
[3] セチリスタット - Wikipedia
[4] 武田薬品 抗肥満薬オブリーン錠 未発売のまま導入元企業に返還 「薬価取得見込めず」