糖尿病治療薬:マンジャロの処方をご希望の患者様の方々へ

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糖尿病の新薬:マウンジャロ(mounjaro)に関係した学術論文や、トピックス、ニュースなどを、要約して掲載していきます。糖尿病患者様の皆様の、学習用素材として、ご利用ください。

チルゼパダイエット 6ヶ月データで凄さを理解

欧州糖尿病学会発表178からの引用です。これまで、データを元に語らない医療をしている医師達へ、実際のデータをもって解説できます。


タイトルは、


Effect of Tirzepatide (TZP), a Novel Dual GIP and GLP1 Receptor Agonist, on Biomarkers of Non-Alcoholic Steatohepatitis (NASH) in Patients with T2D


カナダのグループの研究らしく、ただ演者はイーライリリーの社員のようでした。


アルコールとは無関係の脂肪肝は世界中で、25%。2型糖尿病になると、60−70%にものぼるとされています。ですから、このから、このTirzepatide (以下、チルゼパと略します。)の効果曲線を見ると、多くの事が納得できるので、引用してみたいと思います。GIP/GLP1アゴニストです。以前からお話しているように、GLP1は食欲を抑えるだけですが、そこにGIPが追加される事で、体重に対する減量効果がまし、注射しているだけで[やせれる」、それこそ、これが「やせるホルモン」と称していい新薬です。以下の6群にわけて観察したデータです。ポイントだけを、下段に解説します。観察期間は、約半年です。




まず、Dulaglutide 、いわゆるトルリシティには、抗肥満作用がない、という事がわかります。医学的に、「抗肥満作用がある」と指導する場合には、「抗肥満薬である」事の定義があります。5%以上の体重減少を示す必要があります。


ここでは、トルリシティは、91.5kgの人に対して、おそらく、1.5mgの最大用量を用いたのでしょうが(日本では、さらに少なく0.75mgしかありません)、それでも、−2.7kgの体重減少しか認めませんでした。トルリシティを仮に週2回、注射したとしても、それでも、2.9%の体重減少しか認めません。ですから、トルリシティを、ダイエットに使えます、1週間に1回注射で痩せます、とPRしている医師の宣伝は、医学的には、誤った情報をあえて流しているとしか思えません。日本で承認された量の0.75mgであれば、もっと効果が低いわけですから、話になりません。そういう医師を信じて、PR広告をみて訪問し、週1回だから、と思って信用すると、痛い目にあうことでしょう。


次に、チルゼパの話題に戻りますが、10mg、15mgとなると、とたんに体重の減りが顕著になります。チルゼパの15mgのHbA1c低下量は、−2.4%。これは、糖尿病専門医が不要になる時代が到来するかもしれない、強烈に作用が強い薬剤である事を意味します。


用量に対してHbA1cの減りは直線的なのですが、チルゼパは、体重に対しては、直線的ではなく、用量依存性に減量効果が強くでるようです。チルゼパの15mgでは、週1回の注射にもかかわらず、体重が、-11.3kg 減ります。半年で、-10kg 以上、減らすことができます。


GLP1は食欲ホルモンなので、運動を一生懸命しないと、途中から減量が鈍ってきます。停滞期に陥ります。
ところが、チルゼパは、用量を増やすと、消費エネルギーの増加に拍車がかかるのでしょうか?より痩せるようです。まさしく、GIP/GLP1アゴニストこそ、「痩せるホルモン」と言えるでしょう。


10kg以上も半年で痩せることができれば、脂肪肝がとれるのは普通だし、あえてそれを発表しなくてもいいと思うのですが、イーライリリー社としては、脂肪肝があるような糖尿病患者(全体の7割もいるのですから!)に処方してほしい、という願いを込めた臨床実験、発表だったのかもしれません。


セマグルタイドQW(週1回注射)、ビクトーザ、サクセンダ、経口セマグルタイドをもつ、ノボノルディスク社として、おそらく最も警戒しているのが、このチルゼパの台頭なのかもしれません。


ただ、糖尿病外来の患者さんの中には、あえて、みすぼらしくなるので、痩せたくない、と言われる方もおります。そういう場合だけ、やせないGLP1の、トルリシティを処方するはずなので、「痩せないGLP1 」も臨床的には重要なのです。


あと、「痩せすぎても困る」という方もいます。それは、チルゼパの用量調節で、なんとかできるかもしれません。


現在、治験のPhase3のはずです。それが1年後に終わり承認申請が認可されるのに、1年だとして、約2年半後くらいには、チルゼパが登場し、日本の、世界の、糖尿病治療と肥満治療を、がらりと変えてしまうかもしれません。


今のうちに、命名しておきます。このダイエットを、「チルゼパダイエット」と、呼んでおきます。

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