ビクトーザ? 注射or経口セマグルタイド? サクセンダ?
体重の減少曲線は、注射のセマグルタイドが、極めてシャープで、30週まで直線的に、落ちていきます。
注射セマグルタイドは、10%以上の体重減少を認めるのが、10%を超えています。サクセンダより、やや劣るのが気になります。
ビクトーザの、1.2mgでは、途中で停滞期になり、体重の減りは鈍化します。やはり、サクセンダでないと、いけない理由が明確にしめされていました。
ところが、1週間に1回のセマグルタイドでは、副作用が多いように思えるのです。統計的には、差がないようですが、悪心、嘔吐、便秘、下痢が多いのが気になります。
また、経口セマグルタイドの脱落率が、1%未満だったのに、かかわらず、1週間に1回のセマグルタイドでは、脱落率が10%~15%のようです。
そうなると、1週間に1回のGLP1製剤、セマグルタイドは、効果は強いが、調節が難しく、継続しにくい薬剤ではないか、と思いました。
これは、
SUSTAIN 10 Trial Investigation
と呼ばれます。今日の講演は、既に、ランセットという医学雑誌に公開されたばかりか、既に公開されている内容のいようです。
GLP1製剤の処方は、やはり「臨床的なテクニック」が、とても重要ですね。
どの薬が、どういう強さをもって、どういう副作用があって、どういう対象者にむいているのか、それをしった上で、きめ細かな処方ができる臨床医であることが、すごく大切なことであることを実感しました。
こういう実感をもてただけでも、臨床家として、バルセロナまできた甲斐があったというものです。やっぱり、世界最先端の議論を、ライブで聞くのは、素晴らしいですね。
今日は、16時半で、クローズだそうです。次は、また明日にします。お疲れ様でした。
これからは、この4つの新薬を、糖尿病専門医が使い分けることになると思うと、早めに理解しておいて、よかったです。本当に。
2019年9月16日、鈴木吉彦
欧州糖尿病学会(バルセロナ)にて。