食後高血糖を抑制できる? 食欲ホルモンは同じ。
欧州糖尿病学会からのライブレポートです。
二重盲検試験で、プラセボと実薬群を、交互に変えて、食事負荷試験をした結果が報告されました。対象者は少ないでした。
この試験は、BMIが、20~36 の人を対象にしているので、「ダイエット向け」の試験としては注目されます。
その結果、食後高血糖が顕著に改善していました。
かつ、空腹時血糖も22%低下してました。
必要なインスリン量も減り、グルカゴン分泌も減っていました。
糖尿病で認められる、グルカゴンの奇異性上昇は完全に抑えられてました。
胃排泄の速度も、31%、低下していました。経口セマグルタイドは胃から吸収されて、すぐさま胃に作用するようですね。推測ですが。。
他にも、中性脂肪も低下させます。
ビクトーザには、こうした脂質代謝に対する影響がない、と考えられています。それに比べて、経口セマグルタイドでは、それがあります。その違いは、どこになるのでしょうか?
最後の結論に、やはり、経口セマグルタイドは、「食欲低下させる薬」である、ということが強調されていました。アペタイドホルモンという意味では、GLP1は、共通した用語で呼ばれていますね。食事からのエネルギー摂取量を減らすのですから、脂質代謝に対しても、望ましいのは当然、という感じです。
いずれにしても、「脂質に対する影響」を考えると、経口セマグルタイドのほうが、ビクトーザよりも、優れているという薬剤になるのかもしれません。注射と経口との違いが、脂質代謝への違いで議論されるというのは、意外でした。
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