ADA 抗肥満治療、総論、その2
Drug name (Brand name ) / approved year ]
薬品名 (商品名) /承認年
短期処方に限ってFDAが承認した薬剤
Diethylpropion (Tenuate ) /1950
Phendimetrazine (Bontril PDM) / 1956-1960
Benzphetamine (Regimex, Didrex) / 1956- 1960
Phentermine ( Adipex, Suprenza) / 1959
長期処方が可能であるとFDAが承認した薬剤
Orlistat ( Xenical ) / 1999
Alli ( OrilistatのOTC薬剤として、2007年よりFDAが承認。一般薬局でも入手可能)
Lorcaserin (Belviq ) / 2012
Phentermine/Topiramate (Qysmia ) / 2012
Bupropion/Naltrexone (Contrave ) / 2014
Liraglutide (Saxenda) / 2014
以上が、現在、アメリカで正式にFDAが承認した薬品であります。GLP1製剤は、リラグリチドのみしか承認されておらず、他の、GLP1製剤は、未承認であることが、これで、おわかりいただけたかと思います。
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3) Loscaserin (Belviq )
FDAでは承認されていても、EMA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)では未承認の薬剤です。精神的な副作用が問題視されています。うつ状態を悪化させます。選択的5-hydroxytryptamine 2c (5HT-2C) 受容体作動薬で、食欲を低下させ、食事からの摂取カロリーを落とします。
「感情的になり、どか食いをするような人」になら、効果的な薬剤かもしれません。
12歳から17歳を対象にした単剤でのPK研究でも、結果は報告されておらない。また、12歳から17歳を対象にして、1日量20mgで行ったRCT(ランダマイズ化試験)は、まだ、進行中であり、これも結果が報告されておらない。
4)Phentermine/Topiramate (Qysmia )
FDAでは承認されていても、EMA(European Medicines Agency:欧州医薬品庁)では未承認の薬剤です。phentermineの乱用で精神的な問題や、記憶障害などの問題が懸念され、心臓血管イベントに対する効果がない、事や、topiramateの副作用として精神障害と認識力低下が危惧される。この両薬剤の作用機序については、よく解明されていない。
大人では、 PHEN/TPM 7.5mg/ 46 mgの併用で、- 4.9%の体重減少。
PHEN/TPM 15mg / 92 mg の併用で、-6.1%の体重減少を認めた。
56週間のPhase 4 RCTが、12歳から16歳の対象群について行われているが、結果はでていない。
5)Bupropion/Naltrexone (Contrave )
Naltrexoneはもともと酒乱や薬物乱用をする人の治療目的で使用されていた薬剤です。Bupropionは、もともと禁煙や、鬱状態の改善の治療目的で使用されていた薬剤です。潜在的な、中枢性、特に視床下部への相乗効果が、mesolimbic dopamine circuitに作用して、満足感を高め、それにより食事の摂取を減らすとされています。また、エネルギー消費も増やすようです。しかし、思春期( adolescent age ) における臨床試験は行われてはいません。その意味で、若年者には危険な薬剤と言えます。