空気抜きをしなくてはいけないでしょうか? 先生。
(リブログです)
ビクトーザは、本当に高価な商品なので、
時々、「空気抜きをしなくてはいけないでしょうか? 先生」という
質問を受けることがあります。
空気抜きをして、ビクトーザ0.3mgにセットして、
上を向いておして、ピューと、液がでていくと、
「ちょっと、もったいない」という感じがするのは、誰もが同じではないでしょうか?
通常、ビクトーザが、0.9mgを注射して、空気が少し入っている場合には、
プランジをおした時の感覚でわかります。
プランジの、ゴリゴリゴリという音がしないで、
すーー、と体内に注入されてしまった時、「あれ?」と思うからです。
0.9mg以上、注入している方であれば、そういう時だけ、
確認のために、ペンを逆さにして、「0.3mg」にセットして、
その上で、空気抜きをして、もったいないけど、0.3mgで、一度、
空気抜きをしてみて、その時に、液体がでてくれば、それで、次の空気抜きは不要かもしれません。
その上で、ビクトーザ0.3mgを、再度、皮下に追加注射しておけば問題ないでしょう。
ちなみに、そういう時には、既に、0.9mgのビクトーザが、体内に入っているかどうか、が不明なので、もし、入っていたとしたら、合計で、1.2mg。もし、最初の注射の時に、多少なりとも「空気が混入してしまっていた」としても、せいぜい、0.9mg前後の注射量は体内に、注入できているはずですから、それで、納得します。
あとは、注射後、15分から30分後に、
食欲が低下してくる自分を自覚するかどうか、の確認作業をするだけで
よいでしょう。
毎回、毎回、0.3mgを空気抜きのために、上をむけて、注入液をとばしているのは、確かに、もったいない、という気がしますので、こういう確認作業を時々、行っていれば、できるだけ無駄がなく、注射液を利用できることだろう、と考えます。
あと、皮下に多少の空気がはいっても、なんら問題はありません。このペンは、インスリン患者さんたちも、沢山、使っているペンなのです。もし皮下に空気が入って問題になることがあるようでしたら、インスリン注射をしている糖尿病患者さんにおいても、同様の問題が起こるはずですが、糖尿病の実臨床では、それは、ほとんど、起こっていませんので。
バイエッタだと、なかなか、こういう作業は難しいですが、
ビクトーザなら、できるというか、許容してもよい、、と医師としては判断します。
もちろんビデュリオンでは2回注射はありえないですし、それよりも、ビデュリオンの場合には、手の平で40回、叩くという作業を忘れたか、怠った時のほうが、よほど無駄がでます。
ただ、サクセンダの場合、オゼンピックの場合、1回ずつ空気抜きをしていたら、かなりの金額が空中に捨てられるかもしれません。オゼンピックの場合には、それで数千円どころか、万円のオーダーの液体が捨てられるかもしれません。そう考えると、GLP1注射液の「空気抜き」の問題は、無視できない問題となっていきそうです。