ビタミン不足の人はけっして少なくありません
「 完璧活用 ビタミン BOOK 」の 連載
これまでの各章でビタミンの重要性はわかっていただけたと思います。ところで、あなたは十分にビタミンをとっているでしょうか?
実際には、あなたを含めた現代日本人には、欠乏症はまずないとされています。最近の厚生労働省の国民栄養調査でも、ビタミンをはじめとする各栄養素の摂取量は、カルシウムを除いて所要量をだいたい満たしているとなっています。
しかし、この調査結果はあくまでも日本人の平均値です。その人の体質や年齢などにより吸収される率にも差があるでしょう。また、この調査は献立(材料)からの計算で、食品(材料)殻の計算ではありません。食品を加工したり調理するときに失われるビタミンの量は計算に入っていないのです。
さらに、同じ食品であっても、産地や収穫時期、天候条件、品質、流通過程によってビタミンの量に差がでてきます。特にハウス栽培や養殖など人工的な育成方法をとった食品には、どうしてもビタミンが少なめです。
そのうえ、少ないビタミンがより失われている白米や加工食品などを多食し、ビタミンを消費しがちな清涼飲料水やアルコールなどを多飲するといった現代の食生活特有の傾向も見逃せません。要するに、調査の上ではビタミンが足りていても、また、豊富な食品が氾濫する時代ではあっても、現代人にとってビタミン不足は必ずしも無縁とは言い切れないのです。
出典 完璧活用 ビタミン BOOK
鈴木吉彦 著 (株) 主婦の友社 発行