「食べても食べてもやせる」などという本の題名は正しい?
「 まちがいだらけのダイエット」の 連載
絶対にまちがい
これが本当なら、肥満で悩む人はいないはず。こうした題名は、ほとんどがセンセーショナルな「うけ」を狙ってつけられているものです。そして中身をよくみれば、ごく普通の低エネルギーダイエットというのがほとんどです。「食べながらやせる」というのは考えようによっては当然で、絶食療法でない限り、生きて、生活しながらやせるのであれば、食べずにやせることはできるはずもないことです。
一方の「食べても食べてもやせる」というのは、エネルギーのほとんどない食品をどんどん食べなさいというもので、水をどんなにたくさん飲んでも太らないように、総エネルギーがある線以下に抑えられていれば、ノーエネルギーの食品をたくさん食べても太らないのは当たり前の話です。
大事なことは、本当に「健康に」「脂肪を減らせるのか」ということだという点を忘れないでください。少々体重が減っても、「不健康」になってしまえば減量の意味はありません。美く見えたくてやせたのに、栄養の偏りで肌荒れ鵜を起こしてしまったら逆効果です。こうした見せかけの「題名」に惑わされないように、中身をしっかり検討してください。
特殊な例外
糖尿病の人の場合、食べれば食べるほどやせるということがあります。また、甲状腺機能亢進症の人の場合には、いくら食べても太れないということも起こってきます。ガンにかかっている人が、普通に食べているのにやせてくることもあります。
いずれも、重大な病気が背後にあり、それが原因で太れないのです。いかにやせたいと思っている人でも、まさか、こんな病気になってまでやせたいとは思わないでしょう?
出典 まちがいだらけのダイエット
鈴木吉彦 著 (株) 保健同人社 発行