燃焼を高め太らない!運動嫌いのあなたに。
ミトコンドリア改善薬、であり糖尿病の新薬であるイメグルミンの話題が、そろそろ糖尿病の臨床家仲間でも話題になってきました。ですが、ほとんどの医師たちは、ミトコンドリア機能改善薬を、アンチエイジングと結びつけて考えているようです。ですが、本質は、もっと専門的になります。
まず、アンチエイジングに対する効能、効果を示した実験は公開されていません。その理由はまだ市販されていないからです。市販される以前に、製薬メーカーは糖尿病の治療薬以外の効能効果が見つからないほうがよい場合が多いのです。ある人には効果があっても、ある人には毒だとか、そういう議論を避けたいからでしょう。
次に、ミトコンドリア機能を改善するということは、体内にある栄養素をATPというエネルギー産生物質に変えて、エネルギー効率を高めるという事になります。つまり、それを一般に「燃焼」と普通は呼ぶわけです。
イメグルミンは細胞内において、燃焼効率を高め、それによって血糖値を下げ、脂肪肝を改善させます。肝臓内の脂肪燃焼を高める薬と考えられています。
通常、エネルギーの効率化を図る薬剤は、例えば、インスリン抵抗性改善剤、などが有名です。インスリンを有効に利用することで、細胞外の血糖を細胞内にいれ、血糖値を下げます。それで有名な薬剤は、グリタゾン系薬剤でしたが、どの薬剤も、太るという副作用がありました。脂肪細胞内に、ブドウ糖が入り込んでも燃焼しないので、脂肪細胞が大きくなり太るわけです。
ところが、イメグルミンを服用していると、太りません。なぜか。その理由は、ミトコンドリア事態を燃焼してくれるからです。
これまで燃焼効率を高め、太らないためには、「運動をする」事、以外に手段がなかったかもしれません。ですが、もしかしたら、イメグルミンは、運動をしなくても、運動をしている人と同じような効果をもたらしてくれるかもしれない薬剤と考えてもいいのかも。
つまり、食事については、食欲ホルモンであるGLP1でコントロールし、運動については、ミトコンドリア改善薬であるイメグルミンで脂肪燃焼を助けコントロールする、という、従来の、食事療法、運動療法が基本という体質改善の方針を根本から覆す発想ができるわけなのです。
欧州糖尿病学会2019(バルセロナ)において、DeFronzo先生の講演会では、こんな発言がありました。
「とうとう、私たち糖尿病専門医は、新しい手段を入手できた。それは、太らないインスリン抵抗性改善薬である。」
この意味を理解できるのは、糖尿病専門医の中であっても、少数かもしりません。