糖尿病治療薬:マンジャロの処方をご希望の患者様の方々へ

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糖尿病の新薬:マウンジャロ(mounjaro)に関係した学術論文や、トピックス、ニュースなどを、要約して掲載していきます。糖尿病患者様の皆様の、学習用素材として、ご利用ください。

ADA 抗肥満治療、総論. その1

アメリカ糖尿病学会(ADAと略します。America Diabetes Associationの略です。2019年6月、サンフランシスコ)で聴講してきた内容のおさらいです。9月14日から欧州糖尿病学会(EASD) に来週、いきます。その前に、ADAの、おさらいをしておきます。


=== 2019年、ADA アメリカ糖尿病学会、肥満セッションから ===


まず、食事療法、運動療法、行動療法、そして、外科治療の選択肢があることは、既知のこととしておかなくてはいけない。


アメリカでは、Adult (大人)の肥満は、人口の約40%
しかし、抗肥満治療をうけている人口は、1−2%程度。大きな解離がある。


それに対して、19歳以下(2歳から19歳)の若年者の肥満も、世界中で18%程度になっているが、若年者 (pediatric )ゆえに薬物治療は行いにくいのが実状 (2015−2016年)。


薬物治療においては、FDAが承認した薬剤を経験豊かな臨床家が処方しなくてはいけない。若年者には薬物療法は処方しにくい。臨床的には、大人の肥満のデータがあるだけである。


副作用(side effects)と、メリット(benefits)とを秤にかけて処方しなくてはいけない。
かつ、全ての肥満患者に等しく有効な治療法はない。無効な人も、一部にはいる。


肥満をそのままにしていると、将来、糖尿病や心臓病などの基礎疾患になり、肥満自体が、治療すべき「疾患」とも言える。


肥満治療は、日常生活の行動療法をしっかりしていても、減量しない時に追加として、行うべきものであり、暴飲暴食しながらでは、行うべきものではない。


1)ゼニカル


オルリスタット(商品名:ゼニカル)が、内服薬剤としては、12歳以上でも長期に継続できる唯一の薬剤である。(他の薬剤は20歳以上。なので、)
ゼニカルは1999年に承認をえて、120mg、1日3回、食事と一緒に服用する薬剤である。消化管での油の30%程度を吸収抑制する。BMIにして、0.7から1.7kg/m2の低下が期待できる。ただし、排便緊迫、失便、脂肪便があるため、大人の抗肥満薬として一部の人に愛好されているだけである。
52週間の経過観察をしても35%は脱落した。また、5%以上のBMIが低下(減量)したのは、27%だった。脂肪便を自覚したのは50%以上だった。



2)Phentermine


Phentermine is a sympathomimetic amine anorectic agent and it was introduced in 1959 as part of an anti-obesity combination drug.It is chemically related to amphetamine and it is commonly referred to as an atypical amphetamine.4 Phentermine has not been reported an addictive potential which allows this agent to be classified under the Schedule IV drugs (low abuse potential).Phentermine was FDA approved for short-term weight management in 1959 and it became widely used in 1960.
この薬剤は16歳以上にも処方はできるFDA承認薬剤である。しかし12週間しか継続使用はできない。長期の効果は期待しにくい。投与量は15から37.5mg/日。カテコラミンとセロトニンを刺激する中枢性の薬剤である。食欲は抑制されるが、血圧が高くなり、心拍数も増える。ただし、減量に成功した人では、体重がおちたことによる血圧低下の傾向も認められている。(体重が落ちない場合には、血圧は高くなるまま。)かつ、有効性や安全性には、限界があるデータばかり。1966年のデータは、やや古い。


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Off-label use of medication


この20年間で、FDAが承認した薬剤は
癌には203製剤、心臓血管疾患には118製剤。神経疾患には168製剤。それに対して、抗肥満薬は、たったの6製剤のみである。現在でも、そうした製剤を含め承認された製剤は9個だけである。


このため、ラベルをはがして、未承認製剤を、処方する医師がおり、そうした医療行為に対しては、薬剤管理を徹底して厳密に行わなくてはいけない。(私たちのクリニックは、こういう方針に従っているわけです。私たちの処方する薬剤は名称を明らかにしており、ラベルをはがしたりはしていません。こういう未承認薬剤を医師が処方することを、off-label use of medicationと言います。)


Off-label use of medicationの例


●メトフォルミン
糖尿病の薬剤ですしかし、off-label drugとして、抗肥満薬としても処方されているようです。一般人でも、6~12ヶ月にかけてBMIにして、1.2kg/m2の減量効果を認めます。


●バイエッタ(エクセナチド)
BMIは、3ヶ月で1.1~1.7 kg/m2の減少を認めます。これも糖尿病の薬剤です。ただし大規模研究のデータはなしです。効果も強いが副作用も強いからでしょう。


● Topiramate or Zonisamide
抗癲癇薬、6ヶ月でBMIにして、1.3~4.1kg/m2の低下を認める。本来なら癲癇をもつ人だけに限定して処方されるべき薬剤


● Octreotide
ソマトスタチンアナログ。ただし視床下部機能低下症の小児に限られ処方される薬剤


● 成長ホルモン
脂肪を減らし、lean body massを増やすが、Prader-Willi 症候群において限定して処方されるべき薬剤。

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