インスリン100単位を注射していた患者さんたち
今日の糖尿病外来には、お相撲さんも含めて、私の外来にくるまでは、1日インスリン量が100単位を注射していた患者さんたちが、二人いました。なので、患者さんたちです。
通常、インスリンは「太り薬」とされています。
ですが、あまりにインスリン投与量が多いと、血液中濃度が高すぎて、効かなくなり、逆に「インスリン抵抗性」という現象を生みます。
二人とも、私の外来に来る前は、1日、インスリンを4回にわけて、140単位くらい注射していました。ですが、高血糖があるので、痩せてました。
ところが、そこにGLP1を利用し、インスリンの注射量を思いっきり減らします。すると、血糖コントロールができて、体重は増え、必要インスリン量は1日30単位以下になります。二人とも、もう50単位以上のインスリン注射をすると、低血糖になると心配されていました。
興味深いのは、「インスリンは太るホルモン」、「GLP1は、痩せるホルモン」と、唄っている医師達の発言です。誤ってます。
明らかにGLP1を使って、太らすこともできるし、インスリン抵抗性の解除をすることも可能です。名前は言えませんが、幕内優勝力士は、この臨床テクニックで、最低、二人はいます。
インスリンには、血中濃度で最も効果があるレベルがある、という普通ならそれを知っているか、知っていないか、で、臨床医の腕の見せ所が変わってくるわけです。熟練した糖尿病専門医は、VRを覗くかのように、それを見極めてから治療を始めます。