Glucagonotropic Effects
アメリカ糖尿病学会2020の発表演題です。
2103-P — 2020 ADA
Glucose-Dependent Insulinotropic Polypeptide (GIP) Protects against Cytokine-Induced Cell Death and Exerts Both Insulinotropic and Glucagonotropic Effects in Human Islets
最近は、GLP-1だけではなく、GIPについても、注目されています。GIP/GLP-1受容体作動薬の新薬についても、多くの期待がこめられているからです。
この発表では、GIPにおいても、Glucanototropic作用がある、と記載しています。これは、グルカゴンのように、低血糖になろうとする状態で、グルカゴンのような作用を発揮するという意味です。
GIPは、グルカゴンを分泌せず、インスリンを分泌しますが、GIPは、サイトカインによっておこる膵β細胞死を抑制します。従って、膵β細胞を救助し、壊れゆく膵臓を助ける作用があります。これは、正常健康人から糖尿病患者にいたるまでのプロセスにおいて、予防的な役割を示すかもしれない可能性を示しています。
これは、将来、GIPが、1型糖尿病にいたる病気の進行予防に役立つ可能性を秘めているだけでなく、もしかしたら、GIP/GLP-1受容体作動薬は、サクセンダ以上に、糖尿病の新規発症予防の効果をもつ、大型新薬として、将来、登場するかもしれない、未来像を映し出しています。
糖尿病や肥満は、こうやって、どんどん、「予防ができる病気、予防できる現象、予防されるべき事象」になっていくような世界の潮流を、この発表は期待せしめています。
肥満や糖尿病は、もはや、「治せるだけでなく、予防ができる」、、、
そんな会話を、普通に会話できる時代が到来できるといいですよね。 国際学会の発表はスケールが大きいのが楽しいです。