飛車を中心にした「抗肥満処方」布陣
以前に、糖尿病克服宣言PROという書籍を出版しました(2012年5月)。その書籍の表紙の中に、臨床のテクニックを将棋の駒に例えて、並べてみました。よく見ると、飛車の周りには、メトフォルミンがあり、膵リパーゼ阻害剤があります。インクレチン関連薬は、この際、GLP1受容体作動薬、つまりGLP1注射製剤だとしましょう。
そう考えると、2012年、つまり7年前から、抗肥満薬、低血糖が起こらない治療を中心にした臨床の技術を中心としたTipsをためようとしていたことが解ります。GLP1の専門家となってから十分、7年以上は経っているという証拠です。
GLP1受容体作動薬は、糖尿病治療薬にもなり、それが「飛車」だと仮定すれば、相手陣に入れば、なって「竜王」になります。まるで、糖尿病治療薬(ビクトーザ)が、なって、抗肥満治療薬(サクセンダ)になるかのように。
「ヘボ将棋、王より飛車をかわいがり」と謳われるように、飛車の守りだけに腐心すると、肝心の王の守りを崩され、敗局を迎えることになるということもあります。だからなおさら、私の場合には、あくまでGLP1受容体作動薬は、糖尿病治療薬、血糖値をさげることで代謝を変える薬であることにはかわりがありません。
あと1ヶ月で2020年。するとGLP1の専門家としては8年目になります。