膵リパーゼ阻害剤の作用機序、とGLP1ダイエット
オブリーンも、ゼニカル、一般名はオルリスタットも、同じ作用機序を持ちます。主に膵臓から分泌されるリパーゼを阻害することにより、脂質の分解を阻害して腸管からの脂質の吸収を抑制します。そのため、食事に占める脂肪の摂取量が多いと、下痢や脂肪便の発現頻度が高くなります。下痢や脂肪便の発現を抑制するには、食事から摂取する脂質を減らす必要があります。
さて、GLP1ダイエットをしていると、しだいに、脂質の摂取量が減ることが知られています。ですから、下痢や脂肪便の発現頻度は低下します。よって、サクセンダと、オルリスタットとの併用は、お互いのデメリットを相殺しあうため、相性のよい組み合わせとなるわけです。リラグルチド(ビクトーザやサクセンダ)のデメリットは便秘です。オルリスタットのデメリットは下痢や脂肪便です。ですから、両者を併用すると、たがいの、デメリットを打ち消す作用があり、かつ、抗肥満作用薬剤同士としての、体重減少という点においては、相乗効果があります。