SGLT2 阻害剤、特に、カナグルに対する誤解
SGLT2 阻害剤は、尿に1日、400キロカロリーを排泄する薬剤です。
1日400キロカロリーのダイエットになるのでは、と単純に考え、申し込まれるかたがおられます。
カナグルはSGLT2阻害剤の選択性が低いので、GLP1を増やすという事は、有名な話です。これは、SGLT1を阻害することで、小腸下部かの糖吸収を抑制し、GLP1を高める作用があるからです。
海外データでは、糖尿病患者において、カナグリフロジンを投薬した所、最大5kgの体重減少をみた、ということで、大騒ぎになったことがありました。ですが、あくまでそのデータは糖尿病患者の話です。そして今は、その薬さへ減量には、役立たないことがわかっています。
1日400キロカロリー排泄した分だけ、おなかがすき、すぐに、それ以上、過食してしまいやすいからです。
欧州糖尿病学会2019では、演題849に、いわゆるDual Inhibitor, つまり、SGLT2 も阻害し、SGLT1も阻害する新薬、Sotagliflozinの報告がありました。カナグルよりも、理論的にはGLP1を増やすはずですが、減量の話題には、ふれもされていませんでした。
特徴としては、インスリンを使用した時に、低血糖にはなりにくい薬剤として紹介されていました。
たしかに、GLP1を多少、増やしてくれるSGLT2 阻害剤のほうが、膵臓での調節作用があるので、低血糖にはなりにくいので、納得です。