糖尿病治療薬:マンジャロの処方をご希望の患者様の方々へ

業界最高水準、保険診療にて処方。1か月に1回は通院、2週間後はオンライン診療。No1糖尿病専門医。Web診療。慶大医学部卒。

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糖尿病の新薬:マウンジャロ(mounjaro)に関係した学術論文や、トピックス、ニュースなどを、要約して掲載していきます。糖尿病患者様の皆様の、学習用素材として、ご利用ください。

ナイスコントロール ガリクソン投手からのおくりもの 連載(8)

 とは言え、チームに戻って練習していても最初は本当に不安でした。病院にいる時は、食事にしてもすべて栄養士さんがきちっと計算してくれた食事がでていましたから、何の心配もなかったのだけれども、一旦退院してしまうと、それはすべて自分の責任となってしまいます。インスリンも当然自分で注射しなければいけないのですが、ビンが壊れたらどうしよう、遠征にいく時に忘れたらどうしよう、飛行機の中でインスリンが凍ってしまったらどうしよう、とか、とにかくこれで大丈夫だと思っても、万が一の時を考えると不安は絶えませんでした。


 運動は糖尿病にとってよいといったって、実際に野球をしている場合には、そんな単純なものではありませんでした。小さい頃から僕は汗かきでしたから、マウンドの上で汗が出始めるとそれがどうしてでている汗なのかわからなくなるのです。つまり、インスリンが効きすぎると血糖が下がりすぎて低血糖という状態になり汗がでるからです。低血糖というのはとても怖いもので、軽いうちは手や体が震えてきたり、動悸がしたり、汗がでてきたりするだけで済むのですが、放っておくと昏睡になることもあるのです。これがマウンドの上でおこったら、僕はいっぺんでみんなの信頼をなくしてしまいます。絶対そういうことは避けたかったから、なんとか低血糖をさけるためにいろんなことを考えました。


 ですから練習の最中でも、ちょっとでも汗がではじめるとすぐ不安になりました。今日はインスリンの量が多かったのだろうか、それとも食事のエネルギーが少なかったのがろうか、それとも運動が激しすぎたのだろうか、などと、本当に分からなくなってしまうのです。


 この当時(1979-80年頃)は、アメリカにでも血糖値が簡単に測定できる機器がありませんでした。自分の血糖コントロールの状態を知るのは尿糖を測定するしか手はありませんでした。ですからちょっとでも自分の体調に異常を感じると、たとえ練習中であってもトイレにかけこんで、必ず尿糖をチェックしていました。それは高血糖でも低血糖でも同じようなだるさを感じることがあったからです。でも、このような僕の行動は周囲の人達にずいぶんと変な目でみられていました。


 このようにして、自分で自分の状態をモニターすることが習慣になると、しだいにこのだるさは血糖が高いせいだ、この汗は低血糖だ、などと分かるようになってきました。それから、マウンドでよくかく汗も、何回か経験している内に、やはり運動のせいだとわかってきて、しだいに自信がついてきました。


  またこんなこともありました。最初の内は低血糖が怖かったのですが、反対に低血糖になったり、その予感を感じた時には、どうどうとスナックやジュースを食べたり飲んだりできるのです。幸い、野球というのは必ずイニング毎にダッグアウトに戻って来ますから、その合間をみてよくジュースを飲むようにしました。でもこの頃は、他の人から、なぜ糖尿病なのにジュースばかりを飲んでいるの?と、質問されることが多くて、それをいちいち説明しているのも面倒で、あまりジュースを飲まないようにしようか、と考えたこともありました。



ナイスコントロール ! ― ガリクソン投手のおくりもの
ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著)
医歯薬出版株式会社



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