抗肥満にするだけで140%増は?疑問です?
実は、欧州糖尿病学会では、次世代のGLP1製剤である、セマグルティド(商品名、オゼンピック)についてのプレゼンが多くありました。
私の外来でも、一般公募はしていませんが、特定の患者さんには、個別に、セマグルティドをお渡しするケースがあります。ただし、本当に、申し訳ないくらい高額な金額になるので、あえて公開しておりません。アメリカでは、特に、セレブの薬といわれるくらい高額になります。
ただ、実際、日本で入手できるセマグルティドのペンは、1個に、2.0mgが、はいっていて、通常は、1週間に1mgを注入するのが普通用量です。
ところが、ノボノルディスク社の社長と会談している最中に、抗肥満治療としては、1週間に2.4mgを考えているという発言がありました。
実は、これはノボノルディスク社の企業秘密だろうと思って、ブログに書くことを控えていたのですが、あるOral Sessionの中のスライドのひとつに、セマグルティド 2.4mgというスタディがあることをみつけ、これは、公開された事実だ!!と思って、今、書き込んでいます。
リラグルチドの場合、糖尿病治療用であれば、
ビクトーザとしては、最大投与量が1日1.8mgまで。
抗肥満治療用であれば、
サクセンダとしては、最大投与量が1日3.0mgまで。
つまり、1.8mgーー>3.0mg は、用量にすると、66%増となります。
ところが、セマグルティドの場合、糖尿病治療用であれば、
オゼンピックとしては、最大投与量が1日1.0mgまで。
もし、抗肥満治療薬用としてが、2.4mgだと仮定すると、140%増となります。
なぜ、こんな計算を、欧州から帰国して3日目の深夜にしているかというと、納得がいかないからなのです。通常、薬の投与量イコール価格になります。
ですから、いわゆる新しいGLP1とされるオゼンピックを、抗肥満治療として考えた場合、ものすごい費用負担増になるのではないか、と考えるからなのです。
66%増と、140%増とでは、大きな違いですよね。
(あと数日で、日本では消費税があがりますが、それでも、8%から10%へと2%増です。正直、こんな時期だからかもしれません。こういう発想をしてしまうのは。。)
いくら話題の新薬とはいえ、ノボノルディスク社の強気の価格の値上げ幅には、あまりではないだろうか、とふと考えています。
サクセンダのほうが、日々、用量調節できるし、そのほうが自由度が高いきがする、、と考えるのは、医師の私だけでしょうか。。サクセンダを継続されている方々にも、今後、ぜひ、お話を伺いたいと思います。やっぱり、サクセンダのほうが、リーズナブルで、いい薬である、、と思いたいです。セレブ達だけのためでない薬のほうが、良薬だと、私は、そう思います。
真面目に、本場の学会にいってくると、その場でしか、実感できないことが思い浮かぶものですね。皆さんには、ご迷惑をおかけしましたが、行ってきてよかったです。