「邪道」ダイエット!復活は?
昔、昔、甲状腺ホルモンがダイエットに流行したことがありました。たしかに、痩せます。ものの見事に。
ですが、 以下の3つの欠点があり、これらの欠点、つまり副作用を考えると、やせる治療に、「甲状腺薬」を用いるのは、「とんでもない!」治療といわれてきました。
甲状腺ホルモンの副作用は、
1.胃の動きを速めて、胃から小腸へと食物が移動することによって、小腸からの糖の吸収を速めて、「急峻型高血糖」(急激にあがる高血糖状態)を創ること。
2.心臓への負担がかかること。
3.骨粗鬆症になること。
この3つが、3大障壁でした。そして、かなり昔は、この3つの問題を解決する良薬がありませんでした。なので、「邪道なダイエット法」として、これまでは、医学会では無視されていました。
ところが、、内科医的な観点から再考すると、現代では、
1については、あきらかに、GLP-1受容体作動薬、つまり、GLP1が解決してくれるはずです。
2については、β遮断剤を処方していれば、なんとかコントロールはできるかもしれません。
3についても、ビスフォネートという薬剤が発売されて、安全性が担保されています。
それを考えると、GLP-1受容体作動薬、を、特に、サクセンダを注射していれば、かなり、甲状腺ホルモンの副作用は避けられるという理屈になり、併用すれば、理想のダイエット法ができる、と考えられます(あくまで糖尿病代謝内分泌を専門とする内科医師の脳裏の中では、の話ですけど)。
ただし、サクセンダが承認されていない日本では、ほぼ不可能なダイエットかもしれません。
あまりに「邪道」のダイエットと、思われている先入観があるためか、今は、どの製薬メーカーも、こうした「挑戦的なダイエット法」には、関心を示してくれないようです。ただ、今、チラージンを服用中の方には、望ましいとはいえるかもしれません。