“赤いビタミン”と騒がれたビタミンB₁₂
「 完璧活用 ビタミン BOOK 」の 連載
13種類あるビタミンのなかでも、ビタミン研究史上、正式に認知された最後のビタミンがビタミンB₁₂です。肝臓エキスに含まれ、貧血に効果のある物質として、かなり古くから知られていました。1948年に肝臓から赤色結晶が分離されてB₁₂と名づけられました。化学名をコバラミンといいます。水溶性で、熱や酸、アルカリ、光などによって分解されやすいという性質を持っています。
B₁₂は、ほかのビタミンと異なる次のような際立った特徴があります。
① 構造が極めて複雑な化合物で、分子中に金属のコバルトを含んでいます。そのために実にきれいな赤色で、発見当時、“赤いビタミン”と騒がれました。
② 細菌や一部の微生物によってしか作られず、植物には全く存在しません。そのため、菜食主義者は欠乏しやすいといわれます。
③ ビタミンは本来、微量で効果を表しますが、B₁₂はそれが特に著しく、所要量などに使われる単位も㎍です。
出典 完璧活用 ビタミン BOOK
鈴木吉彦 著 (株) 主婦の友社 発行