GLP1ダイエットの外来を始める準備にいたるまでの経過をお話したいと思います。

GLP1受容体作動薬は、糖尿病の治療薬としては、もう十二分に臨床応用している薬剤です。

製薬メーカーの調査でも、東京都内では、GLP1受容体作動薬を処方しているクリニックとしては、私たちのクリニックが、特に、ビクトーザは発売された当初の1年間は、日本でダントツの１位でした。1週間に1回製剤のビデュリオンにいたっては、発売から現在まで日本で処方量は1位と聞いています。

それほどまでに、GLP1受容体作動薬を処方している私たちの医療施設で、昨年まで、GLP1ダイエット、を行わないのは、かえって、おかしいのでは？と疑われるくらいです。

さて、なぜ、このダイエットを始めるきっかけは？と聞かれるかと思いますが、それは、
やはり、国際学会に参加した時の体験でした。

GLP1をダイエット用薬剤として用いるアイディアは国際糖尿病学会、特に、2017年でリスボンで開催された欧州糖尿病学会で発表されました。講演中は、話を、ぼーとしてきいていて、なんか、たいしたことないや、肥満の話か、と思って、たちさそうとしたその瞬間、

その会場にいた聴衆や、参加者は、割れんばかりの拍手が起こる様子を見てきました。
いわゆる、スタンディングオベーションという拍手でした。

本当に、この治療、世界の肥満治療の主役、糖尿病治療の主役になるだろうか？

ずーと疑っていました。しかし、２０１８年、オーランドで開催されたアメリカ糖尿病学会でも、そして、ドイツ、ミュンヘンで開催された欧州糖尿病学会でも、
この「GLP1受容体作動薬を抗肥満薬に応用する」というアイディアは、減速するどころか、むしろ、加速していたのでした。

そして、2019年、サンフランシスコで開催されたアメリカ糖尿病学会では、糖尿病、Diabetesという英語と、肥満、Obesityという英語を、1語で、表現する、Diabetistyという用語ができていました。2019年、バルセロナで開催された欧州糖尿病学会では、すでに抗肥満治療薬が、経口投与も可能となり、臨床試験も、まさにクライマックスにさしかかってきているという実情を、スペインにいってみてきました。

これらの国際学会に参加して、「国際標準に遅れをとっては、いけないだろう」、、そう考えたのが、一臨床家としての率直な考えでした。

そうした国際学会での最先端の動向が、私が、この外来を始めようと考えた大きな、きっかけになったのは、間違いありません。

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UT