日本人の体格を考慮しない指導の是非
日本人では、リラグルチドは、0.3mgから開始し、慎重に1週間ごとに増量していくのが普通とされています。これは日本人の体格を考慮した配慮で、糖尿病専門医の指導としては当然。
でも、とある美容系クリニックでは、そうした配慮をしないようで、0.6mgづつ、1週間ごとに増量していくようです。それを1ヶ月コースとしています。確かに、それは欧米人のような体格の場合には、適応されますが、N Eng J Medの原著を読むと、それでも、高頻度の悪心、嘔吐の頻度を認めます。
体格の大きい、体重100kgを超える欧米人でさへ、重篤なイベントが起こったのは、実薬群では、6.2%と、高頻度で副作用が起こっているわけなので、それを考慮していない指導には、疑問をいだかるざるをえません。
当院の処方は、日本人の体格にあった「安全で、日本における標準的な投薬法」を、指導させていただいています。
このままでは、安全性に配慮しないクリニックが、どんどん広告宣伝をはることで、「逆流性食道炎」の患者さんを、増やしてしまうことになるかもしれません。悪心、嘔吐がひどくて、辛くて継続できない、という患者さんが増えていってしまうことでしょう。
困ったものだな、、、と思います。