服薬指導ミス?? ミスではない?
(リブログ:食事と運動を知る)
糖尿病外来で、ビクトーザを処方できるようになり、1日1.8mgを投薬しているのに、まったく体重が下がらないという患者さんがおりました。
ひとつは、運動をまったくしていないから。
それが最大の理由だったかもしれません。ですが、よく聴取すると、近所の薬局から、ビクトーザをいつ注射したらいいかの服薬指導を受けていなかったようです。1日1回、どこでも、いいです、と言われたので、「就寝前」に注射していたとか。
GLP1は、「食欲ホルモン」、正確には、「食欲抑制ホルモン」です。ですから、食事の前に注射してこそ、価値があるのに。就寝前に注射するということは、食事とは関係のない時間帯に、薬の効果をきかせようとしたようです。
もちろん、どの薬局で服薬指導を受けるのは、患者さんの自由ですし、薬の効果を教えるのは、私たち医療関係者の義務ですが、「1日1回注射」は、ビクトーザの薬効から考えて、「就寝前注射をする」という発想がなかったがために、誰も、そういう投薬をしてはいけない、という「勧告」をしなかったようです。
この場合、服薬指導ミスになるのか、どうかは微妙です。1日1回注射、と記載している場合には、就寝前には効果がない、ということの意味あいは含まれていませんから。
でも、今後は、こういう薬剤特性を、しっかり指導しないと、せっかくの高価な薬剤が無駄になるということを、思い知らされました。