フランスではGLP1を中止するガイドラインがあります。
(リブログ)
世界中で、GLP1受容体作動薬が、あまりにも高価であるため、各国で医療費を抑えようとする動きがあるようです。
欧州糖尿病学会 2019 Barcelona, 発表822
Cost-Consequences of non-compliance with GLP-1a analogues treatment quideline in France
というタイトルの内容でした。
これは、GLP1受容体作動薬の治療を、3~6ヶ月継続していて、効果が見られないようであれば、すぐに中止するべきである、
というガイドラインです。
特に、この内容は、糖尿病治療に関係したものです。まず、インスリン治療から開始し、GLP1受容体作動薬に切り替えた場合には、体重が5%以上、減量に成功した場合には、継続する価値があるが、そうでない場合には、中止を勧告するものです。あるいは、心臓疾患の予防が必要な場合にだけ、継続するという内容でした。
確かに、インスリン注射の価格は、世界中で、どんどん値下がりする一方ですが、だからこそ、製薬メーカーは、インスリンからGLP1受容体作動薬への切り替えを薦めるようになりました。ですが、その切り替えにおけるメリットは、1)体重が5%以上減ること、か、2)心臓疾患を予防できること。という2つの価値しか、ないかもしれない、という点を鋭くついています。
日本には、こうしたガイドラインがありません。ですが、これから、GLP1ダイエットとして、どんどん処方する医師が増えれば、フランスのように規制しておかないと、医療費の負担が増えるかもしれないです。
フランスでのGLP1受容体作動薬に対する支出は、2018年では、258million ユーロだったそうです。ですが、このGLP1ダイエットをストップするガイドラインを作ることで、10.6 million ユーロの節約になるだろうという試算が発表されています。
GLP1治療が、しだいに国民的認知度が高くなるにつれ、「痩せたい」と思う人が、糖尿病であれ、糖尿病でなくても、GLP1受容体作動薬に飛びついていて、それが、医療費の高騰を招いているのは、どの国でも同じなのかもしれません。
日本で「サクセンダ」が、承認されなかったのは、日本国の医療費支出を、いかにして抑えるか、を厚労省の役人、有識者たちが考えたすえの判断だったのかもしれません
肥満が疾患である事を否定したわけではなさそうです。それは認めるけど、国としてのフトコロ事情があるため、やむおえなく、肥満は自己責任で自由診療の外来で治してください、という考え方のように思えます。