GLP1との出会いは、9.11
2001年9月8日から、欧州糖尿病学会が英国のグラスゴーでありました。その時、学会場のスクリーンに戦争映画が映されました。何がおこったら、わからないまま、しかたなく予定していた講演会の聴講をとりさげ、別の講演会へと移動しました。その会場で、大きなスクリーンに映し出されていたのが、「アメリカドクトカゲ」の写真でした。
それが、GLP1との初めての出会いです。今から19年前の事になります。
その後、ジョンエングという内分泌代謝の専門医が、アメリカオオトカゲの唾液の成分に、インクレチンと似た構造の物質があることを発見しました。それが、エクセディン4、今の商品名、「バイエッタ」です。
あれから、なんと19年、GLP1は、糖尿病世界では中心的な話題となり、糖尿病治療薬として進化してきました。
ここ最近になって、急に、それが「抗肥満薬」になるとは、当時の誰もが予想しておりませんでした。ビクトーザの治験にも、日本での第3相試験には、最初に参加しましたし、歴史は長いです。
アメリカオオトカゲが、なぜ、1ヶ月も2か月も、口に何もいれなくてもお腹が空かないのか、、、そういう単純な発想から、この研究は始まったと聞いています。