維持療法 vs 強化療法
セマグルチド(商品名;オゼンピック)の場合、注射器のダイヤルは、0.25mgが初回の治療用となります。それを、4週間継続していって、つぎに、0.5mgに増量します。
0.5mgが、「維持療法」の投与量です。
注射器は、ダイヤルが、0.25mgまでと、0.5mgまでで、2段階でした。ですから、1mgを1回に注射するとなると、2回注射が必要になります。
もし、0.5mgの治療で効果に満足が得られない場合には、「強化療法」となり、1日1mgに移行します。
つまり、「効果に満足できるまでは、強化療法」で、いって、ある程度、目標体重、目標血糖コントロールまで到達したら、そこからは「維持量」に戻しても大丈夫という発想も可能なのです。
さて、、ここからが本論になります。
同じことが、サクセンダ、ビクトーザの治療でも言えます。
「体重を減らすため」には、サクセンダ2.4mgから3.0mまで増量して、目標体重になったら、その後は、「ビクトーザか、サクセンダの1.8mg」で維持できる、そういう感覚でとらえられるとよいでしょう。
以前、アメリカ糖尿病学会(サンフランシスコ)に参加して、実際に、サクセンダを継続している人で、その使用量を調査した結果、サクセンダ2.4mg以上は、全体の10%程度でしたが、こういう発想をしていると、それも納得です。
つまり、「ダイエット」、痩せるためには、サクセンダで、2.4mgか3.0mgを利用するけれど、維持量までいったら、その後は、サクセンダの、1.8mか、アメリカではビクトーザも1.8mgの注射器があるので、サクセンダあるいはビクトーザの1.8mgで十分に事足りるということが多いのだろうと、思います。
こういう「ダイエット」の治療の中に、「強化療法」と、「維持療法」とを、併せて指導できているGLP1外来というのは、他にあるのでしょうか?
私たち以外の、GLP1ダイエット外来を行っている医師たちは、ほとんど、何も情報公開していないようですので、不明です。サクセンダも手持ちがないのかもしれません。
強化療法でいくのか、維持療法でいくのか、この発想は、糖尿病でのインスリン注射指導の時と、ほぼ同じ理屈ですし、発想も着眼点も同じです。
ようやく、このGLP1ダイエット治療も、「糖尿病専門医がやるべき正当派的な治療」に近づいてきたように、思えます。
「内科」の医師がやるべき治療法、に、なってきた、、そう思います。これが国際標準の治療だろうと考えます。