なぜ糖尿病専門医が、抗肥満治療を始めるのか?
糖尿病治療は日々、進歩し、HbA1cが7%をわったのは、2013年。今から7年も前です。そして、今では、私の糖尿病外来では、HbA1c 6.5%は普通の数値です。インスリン治療患者さんを除くと、HbA1cの中央値は、6.4%です。まず、糖尿病合併症は心配しなくてよいレベルにまで改善しています。
その上で、以下のグラフをみていただくと、分かると想うのですが、血糖コントロールがよくなると、BMIがあがる、つまり、肥満が増えるのです。とうとう平均BMIは25を越えてきたのです。
よって糖尿病専門医であればあるほど、肥満に対する治療の必要性が増してきています。だから、目の前の問題として、抗肥満治療を初めているというのは、科学的にも、歴史的にも、明白な根拠があるわけです。
コロナ太りが増えたから、周囲がみんな流行で、始めたから、韓国では美容外科が流行しているから、というレベルの話ではありませんでした。