非常事態下での、肥満治療、糖尿病治療
軒並み、外来の糖尿病患者さんたちの
血糖コントロールは悪化
体重は減らない
この2つの現象が、いっきに起こってきています。正直、新型肺炎ウイルス騒動で「肺炎が怖いので外出ができません。ジムが閉まっているので運動ができません。ともかく、運動ができません」という回答が戻ってきます。
正直、糖尿病専門医から見れば、「運動ができなくなる」ということが、これほどまでに、血糖コントロールと体重減少に、歯止めになるとは、思ってもいないくらい、強烈な「負」の影響がでています。
「運動する」事において、こんなに効果があったのでしたか。
正直、糖尿病専門医になって、こんな体験は初めて、です。
この結果、改めて「運動する」事の価値を再確認するような外来診療風景が続いています。一言でいうと、「軒並み、薬の効果が消されています。」
こういう「運動ができない状況」が続くと、指導する側としては、できる助言は数個しかありません。
この新型肺炎コロナウイルス騒動の時期が続く間は、
「薬は、ちゃんと継続してください。薬で現状を維持してください。」
「改善しなくても、横ばいで、OKです。この嵐が通りすぎるまでは、あきらめないで、生活習慣を見直し、別の手を考えてください。」
「自宅でできる運動を考えてください。」
「体重も、血糖コントロールも、横ばいでOKです。騒動がおさまったら、おもいきり運動を増やしてください。そこで挽回してください。」
このアドバイスは、糖尿病治療のみならず、GLP1ダイエットを継続されている皆様にも、同じ内容のお話をしています。
たまに、「体重が減りました」という患者さんが来院されます。「なぜ?」と聞くと、答えはシンプルでした。
「もともと、そんなに運動してませんでしたから」
もともと運動が好きでない、運動をしていなかったという方にだけは、この時期、薬がきくようです。サクセンダも、おそらく、この時期は、そういう方だけには有効だと思います。