光に弱いビタミンB₂は、脂肪の代謝と細胞呼吸にかかわっています。
「 完璧活用 ビタミン BOOK 」の 連載
ビタミンB₂の研究中に、熱を加えても分解しない物質が発見されました。これがビタミンB₂、化学名リボフラビンです。結晶状態では緑色の蛍光を出す、黄橙色の水溶性の物質です。不足するとラットの成長が止まるため、発見された当初はgrowth(成長)の頭文字をとって、ビタミンGと呼ばれていました。
ビタミンB₂は、熱や酸には強いのですが、アルカリには弱く、また、光に当たると酸化してしまい、効き目がなくなるという性質をもっています。ちなみに、B₂がたくさん含まれている食品の一つである牛乳を、透明なプラスチックの容器に入れて放置しておくと、B₂の量が半分に減ってしまうほどです。
その働きですが、B₂は糖質、脂質、タンパク質の代謝の仲立ちをする酵素を助ける働きをします。特に脂質の代謝にかかわっています。
ところで、人間の細胞は、酸化還元反応といって、呼吸をしています。酸素を吸って炭酸ガスを吐き出しているわけです。B₂は、この細胞呼吸にも欠かせません。また、細胞が毎日生まれ変わるときにも必要といわれています。言い換えれば、B₂は、皮膚や粘膜を保護するビタミンでもあり、皮膚や爪、毛の発育や健康に維持にかかわっています。このため、B₂は“皮膚のビタミン”とも呼ばれます。このほか、肝臓の働きを強めたり、体の中に入った毒物を解毒する働きもあります。
出典 完璧活用 ビタミン BOOK
鈴木吉彦 著 (株) 主婦の友社 発行