ビタミンAとは、レチノールのことです。
「 完璧活用 ビタミン BOOK 」の 連載
ビタミンAとは、レチノールのことです。
ビタミン学の引き金ともなった第一号のビタミンが、ビタミンAです。
良く知られているように、極端に不足すると、とりめ(=夜盲症)になることから発見されました。
ビタミンAは、天然には、科学名でいうとレチノール、レチナール、レチノイ酸の3種類があります。
レチノイ酸は、多少、生理作用が違います。最も多く見られるのが、レチノールで、ふつうビタミンAといったときには、このレチノールという物質のことを指します。レチノールは動物性の食品にだけ含まれており、植物には含まれていません。
ところで、ビタミンAといった場合、よくカロチンという言葉を聞きます。実は、植物にも、プロビタミンA(ビタミンAになる前の物質)であるカロチノイドという色素がたくさん含まれています。そして、このカロチノイド色素の種類としてカロチンがあるのです。
カロチンには、α‐カロチン、β‐カロチン、γ‐カロチンがあります。中でも、最も多いのがβ‐カロチンで、これが今ガン予防の栄養素として注目を集めていることは、すでにご存知の人も多いでしょう。
このβ‐カロチンは、レチノールが2分子結合したような形をしており、体の中で変化して、ビタミンAの効果を発揮します。
こう見てくると、私たちが食物からとる身近なビタミンAとしては、レチノールと、プロビタミンAとしてのβ‐カロチンの2種類があるということになります。
出典 完璧活用 ビタミン BOOK
鈴木吉彦 著 (株) 主婦の友社 発行