ミグリトールがダイエット薬でないエビデンス
あくまで糖尿病治療薬として、ミグリトール(商品名;セイブル)は、DPP4阻害剤との併用によって、GLP1をあげることができます。セイブルとDPP4阻害剤のスイニーは同じ三和化学研究所が販売しているため、両者を組み合わせた試験がありますから、ご紹介します。
右図のように、DPP4阻害剤だけで、GLP1は正常の3倍くらいに増加します。
ミグリトール(セイブル)も、GLP1を増加させますが、正常の1.5倍くらいまでです。
しかし、スイニーとセイブル、つまり、DPP4阻害剤とミグリトールとを併用した場合には正常の4倍レベルまで、GLP1濃度は増加します。
ですが、これでもGLP1は、食欲中枢を抑制し、痩せるというレベルまでには到達していません。一般に、GLP1注射製剤、つまりGLP1ダイエットで用いるGLP1濃度レベルの作用は、正常レベルの8倍以上とされています。
こうした科学的根拠から、DPP4阻害剤も、ミグリトールも、まったく体重減少を期待できない、ダイエット向けの薬としては期待してはいけない、推奨してもいけない薬剤であることがおわかりかと思います。
