メタボを一網打尽にする ウルトラGLP1
昨年の欧州糖尿病学会(ミュンヘン。2018)で発表されていた内容が、2019年の学術論文になっていたので、ご紹介します。臨床治験第1相の新薬です。
PCSK9 とは、LDLコレステロールを、1週間に1回の注射で、劇的にさげる特効薬のことです。すでに、商品名としては、「レパーサ皮下注」製剤として、広く普及しています。高コレステロールの特効薬です。
そして、GLP1受容体作動薬、つまり、GLP1ダイエットで使われる注射は、糖尿病と肥満の特効薬です。
この、2者の作用を、科学的に解析し、両者の受容体(リセプター)を刺激する構造体として、バインドした新薬が開発されています。以下のPubMed論文になって、世界的に公開されています。
PCSK9 作動薬も、GLP1作動薬も、1週間に1回、注射をすればいいという製剤を作ることは可能なので、下図のような構造式で、新薬ができて、製薬企業某社が公開しています。
つまり、PCSK9/GLP-1受容体作動薬、とは、1回の注射で、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)もさげ、かつ、血糖値もさげ、体重も減らすという、3つの良い効果を、週1回の注射だけで、すませてしまおうという新薬なのです。
高脂血症、糖尿病、肥満が改善すれば、動脈硬化の進行をとめ高血圧も改善することでしょう。となると、この新薬は、メタボリック症候群に関連した疾患を1つの薬剤で、一網打尽にしてしまう薬剤という事になります。
もし、メタボと診断されたら、早めに、こういう薬剤を投与しておけば、メタボを根治することができる、そんな時代が必ずしや到来することでしょう。
国際学会に参加するたびごとに、私達、糖尿病専門医の将来の仕事は、なくなるのではないか、と、ハラハラして帰国してきています。真面目に。
そして、メタボなんて怖くない、肥満なんて怖くない、糖尿病なんて、高脂血症なんて、怖くない、そう世界中の人が思える時代がくると、いいですよねー。
そういう時代を迎えるための第1歩を作るためにも、GLP1ダイエットプラクティス、これからも頑張ります。応援よろしくお願いします。