食事療法UpDate ・ 2019. 9月@九州
今日は、九州で講演会に参加してます。食事療法と運動療法との最近の話題をレポートします。講演者は、岐阜大学、、内分泌代謝病態学教授 矢部教授です。
ダイエットに役立つ部分だけ、サマリーでお伝えします。赤文字の部分は私見です。
=====================
野菜をお米の前に食べると、インスリン分泌を節約できる。となれば、ダイエットに役立つ。
食前の乳清蛋白質摂取は、GLP1をあげる。食材としては、乳清蛋白質、グルタミン、オリーブオイルなどでも、GLP1をあげる。
蛋白質をお米よりも先に食べたほうがGLP1の濃度をあげる。がしかし、GLP1をあげるには、相当の蛋白質をとらなければいけないので、カロリーオーバーになるので、ダイエットになるのかどうか、が問題。(私見。逆効果になる可能性もありますよね。)
魚料理、鯖の煮こみなどが話題だが、GLP1が増えやすいので、胃運動は抑えられるだろう。肉料理はGIPがでるので、脂肪酸が増えるので、問題があるかもしれない。
食物繊維は、血糖はさげるが、GLP1も、GIPも、全く関係なし。
おかずを食べてからお米を食べたほうが、食後高血糖を抑えやすいのは、GLP1が多少、関係しているのかもしれない。(私見。居酒屋にいったら、まず、刺身の盛り合わせから食べるのは、生理的に良い、、ということかもしれません。)
食事療法で最も大切なのは、総エネルギーとバランスだが、なかなか、それが難しい。
やはり、野菜はとる。魚や肉を食べることで、多少、GLP1上昇が期待される。がしかし、魚や肉の量が多ければ、オーバーカロリーになるので意味がない。
お米を最後にとるのは、よいのかも。(私見。最後の、シメ、に、ご飯を食べるような日本食の習慣は、日本人が痩せやすい体質であることの理由かもしれません。)
魚を先に食べると、GIPが上がらない。肉を先にたべると、GIPがあがる。GLP1については、差がない。肉のほうが、GIPが増える分だけ、脂肪が増えるのではないだろうか、という考察がなりたつ。講演者の考えです。
(私見。脂質が増えやすい人においては、DPP4阻害剤よりも、GLP1受容体作動薬のほうが望ましいだろう。GLP1受容体作動薬は、脂質を減らしやすからである。だから、海外では、GLP1受容体作動薬、つまり、GLP1ダイエットがもてはやされるのだろう。)
質疑応答が始まりました。
私は演者(矢部先生)に対して質問しました。
GIP/GLP1受容体作動薬では、GIPは体重を減らすと考えられています。ですが、上記の話では、肉を食べるとGIPが増えて、体重が増えるという話であり、矛盾するのではないでしょうか?
講演者の回答は、以下のとおり。
GIPの濃度の問題かもしれません。食事で高まるGIP濃度はたいした事がない。濃度自体が低い。でも、GIP/GLP1受容体作動薬で投薬するGIPは、相当、高濃度であるので、高濃度のGIPは、食欲が抑制されるのではないか、と推察される。。
ということでした。
=====================
追伸。
高齢者のサルコペニアの問題が大きくなっている。
対応としては、夕食に蛋白質をとる傾向が強い。
薦められる目安としては、高齢者では
エネルギー越州では、30kcal/kg BW以上
蛋白質1.2g/kg 以上
ビタミンD 10μ以上
が必要である。高齢者については肥満よりも、痩せのほうが問題。
==> 肥満がある高齢者は、痩せる必要がないのかもしれませんね。