ビディリオンが、ダイエットに向かない理由!
ビディリオンは、しこりを作ります。
基本、お腹に注射するのですが、あちらこちらに、しこりができます。必ず、消えはするのですが、女性で、お腹の形がかわってしまうことに抵抗がある方には、お勧めできません。
他人に、ばれます。
当然、お腹にしこりができますから、他の人、例えば、ご主人などに、なに注射してるの?と疑われます。
しこりは、かなり、気になります。
多少、しこりの周りに色がつくことがあります。これは、針が太いせいです。
注射は痛いです。
注射針は太いので、注射によほど慣れていないと、我慢できない人もいるかもしれません。もちろん、糖尿病の治療としては、あくまで、血糖を下げるという建前があり、HbA1cもさがるので、注射の痛みは我慢していただけますが、もし、ダイエットで利用した場合、体重が減らなければ、その注射の痛みは、相当に痛いだけのダメージとしか、感じないことでしょう。
慣れがおこり、食べたい状態が復帰します。
全体的に、ビディリオンを始める前よりは、食欲はおちます。血糖値も、すごく下がります。ですが、慣れが起こります。また、食べられるようになります。数か月後に、そうなります。
他のGLP1ダイエット薬と比べて、ダイエット効果は弱いです。
他の薬剤と比較して、血糖降下作用は強いのですが、体重減少効果は弱いことが知られています。特に空腹時血糖値が下がります。糖尿病治療には、すごくいい薬ですが、食後に食欲抑制作用が弱いので、体重減少作用が弱いのです。つまり、糖尿病治療薬としては良薬ですが、ダイエットの薬としては良薬とはいえないのです。費用対効果が悪いです。
食事ごとに、食欲抑制ホルモン作用を調整できません。
サクセンダなら、食事のたびごとに、ダイヤルで自分の食欲をコントロールし、食べたいときにはダイヤルを減らし、食べたくない時にはダイヤルを増やす、という食欲を自分でコントロールできる「自由さ」があります。ところが、1週間に1回の製剤には、その自由がありません。食事を自由に楽しみたい、という人には、やはり、サクセンダがお勧めです。
PS
私は、おそらく日本で最もビディリオンを処方した医師のひとりだと思います。アストラゼネカ社によると、発売後、ずーと処方量は日本でトップだったそうです。ですから、糖尿病の治療薬としては、お勧めの薬ですが、ダイエットの薬としては、お勧めできません。GLP1は、まじめに、臨床経験が豊富な医師から処方されるように、とお勧めいたします。