頑張らないダイエットなんて、あり得ない。
朝、おきたら、uTubeに、この動画のキャッチフレーズが。思うわず「嘘!」と反射的に思いました。少なくとも、薬を、使った臨床は、あくまで、本人の体の状態を補助するものです。ですから、
我慢しない、ではなくて、我慢したくなる欲望を助ける、
のが薬物療法です。それが、GLP1ダイエットの本質です。我慢しない人には、薬物療法は効果がありません。GLP1は注射をしていたら、勝手に痩せてくれる治療法ではないのです。それは、糖尿病治療を、まじめに行っている臨床医なら、誰でもしっていることで。
いくら薬物療法を行っても、食べ放題に食べている人、運動をしない人では血糖コントロールも体重減少も期待できません。サクセンダ3.0mgまで増やしても、普段のお菓子の量やおやつの量が減っていない、お酒の量が減っていなければ体重は減りません。運動嫌いのままで運動してません、では体重は減りません。
GLP1の治療ガイドラインでも、食事療法と運動療法は、まもった上での治療であることが明記されています。その意味では、「頑張っている人を、自然に食欲低下しやすくし、食事制限を応援するのがGLP1を利用した薬物治療」の、本質です。
つまり、GLP1治療の、本質を素人向けにして、薬効を逆手にとったキャッチコピーのつけかたは、いかにも怪しい治療であるかのような印象を与えかねません。
多くのGLP1ダイエットで成功した人たちを、たくさん、拝見するようになりました。皆さん、頑張ってきれいになるよう、イケメンになるよう普段から努力されておられる方ばかりです。影の努力がわかるからこそ、ダイエットに成功した女性を、うっとりしてみてしまう、というわけです。私も同じです。すごく素敵な方々ばかりです。
私も、必ず1対1で、face to face で、お話してます。頑張っている患者さんを医師は応援したくなるのです。そこは、GLP1ダイエットに限らず、糖尿病治療も100%同じです。
我慢もしない、頑張りもしなければ、それだけ治療も成功しにくくなります。とりあえず糖尿病専門医としては、この「頑張らないダイエット」というキャッチコピーは間違いであることは言及しておきます。おそらくサクセンダ3.0mgまでの処方を経験したことがない医師がつけるキャッチコピーなのでしょう。