ナイスコントロール ガリクソン投手からのおくりもの 連載(28)
ガリーVSドクタースズキ
○ 野球はファンタジーの世界 ○
Dr.鈴木 ところで巨人軍は君の糖尿病の事はどう思っているの?
ガリー あまり気にしてないみたいだよ。僕もそれでよいと思っているしね。アメリカでは仕事しだいだよ。仕事をきちんとこなしていけば、糖尿病だけで職場を追われることはないよ。しかし、糖尿病を理由にして仕事ができなければ、職を失うこともあるだろうね。僕は絶対に糖尿病のことをいいわけにしないようにしているよ。つまりその人しだいなんだよ。これは別に糖尿病でなくてもおんなじさ。そんなことを考えているより、きっちりと自分の与えられた仕事をすることが大事なのさ。
Dr.鈴木 でも、試合に負けた時はやっぱりがっかりするのかな?
ガリー 確かに勝ちはほしいけど。野球をずーっとやってきているからなのかな、勝ったとか負けたとかで、それほど感情の起伏は起こらないよ。それに感情を一定にする練習はできているつもりだしね。
Dr.鈴木 君にとっては野球はやはり生きがいなのかな?
ガリー 野球はもちろん好きさ。でも僕は野球が人生のすべてにしたくないんだ。僕にとって本物の人生は、兄弟や家族との生活で、野球はファンタジーの世界だよ。だから成功もあり、失敗もともなうんだ。僕はどんな試合でも、どんなバッターでも全力で立ち向かおうと自分にいいきかせている。そう思って、自分の与えられた人生を精一杯生きるということを大事にしたいんだ。
ナイスコントロール ! - ガリクソン投手のおくりもの
ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著)
医歯薬出版株式会社
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